Software-Defined Storageコントロールソフトウェアはメインストリームに歩を進める
ITインフラの運用をソフトウェアの導入によって効率化、自動化しようとする流れは継続しており、ストレージ運用についてもユーザーが高度なソフトウェア機能を利用する機会は増えているが、その一方で、ストレージベンダーの販売戦略としてはソフトウェアの標準バンドル、無償化が進んでおり、国内市場の売上規模は低成長傾向となっている。
ただし、低成長なストレージソフトウェア市場にあって、急速に規模を拡大しているSoftware-Defined Storageコントロールソフトウェア市場では、新興ベンダーの動きを追うように大手ベンダーも製品を投入しており、まだセグメントとしての売上規模は小さいながら、メインストリームに向かって確実に歩を進めている状況にある。
ベンダーシェアは第1位EMC、第2位ベリタス、第3位IBMで変わらず
2015年の国内ストレージソフトウェア市場におけるベンダーシェアの上位には、第1位EMC、第2位ベリタス、第3位IBMという3社が前年に引き続きランクインしている。この3社の売上成長率は、市場全体の数値を上回っており、下位との差が開いた状況にある。これらの上位ベンダーは、大規模ユーザーを中心顧客として課題解決型のセールスを展開しているという共通点がある。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの鈴木康介氏は、「ストレージソフトウェアの需要面では、ストレージ管理の迅速性、経済性、安全性をいかに高めるか、ソフトウェアに求められる役割は今後ますます重要となる。しかし、その一方で、運用の簡素化を訴求点に市場浸透を図るオールフラッシュアレイの影響により、ストレージソフトウェアのスイート化、標準バンドル化は一層進むであろう。そのため、機能面での要求の高まりに反し、売上規模は低成長となる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内ストレージソフトウェア市場予測、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。このレポートでは、ストレージソフトウェア市場を以下の6分野、1. データ保護/リカバリーソフトウェア、2. ストレージレプリケーションソフトウェア、3. アーカイブソフトウェア、4. ストレージ/デバイス管理ソフトウェア、5. ストレージインフラストラクチャソフトウェア、6. Software-Defined Storageコントロールソフトウェアに分類し、2020年までの市場規模を予測している。
また、「国内ストレージソフトウェア市場シェアアップデート、2015年」では、2015年の国内ストレージソフトウェア市場におけるベンダーシェアとベンダー動向を分析している。