新バージョンでは、メール無害化機能の強化として、受信メールに添付されたWordやPowerPointなどのファイルを自動でPDFファイルに変換する機能や、NECのファイル無害化ソリューションとの連携機能をオプションで提供する。これらにより、イントラネット上で添付ファイルの内容確認が可能となるため、利用者の利便性も向上するという。
また、今回提供を開始するメールアーカイブ機能は、容量拡張が容易に可能なオブジェクトストレージと、アーカイブデータの暗号化に対応する。これらにより、クラウドストレージなどを必要最低限のストレージ容量で開始することで初期コストを低減しつつ、安全性を向上するとしている。
なお、「Mission Critical Mail Filter」の標準機能として、メールフィルタプラグイン機能や上司承認機能などの強化も実施する。
「Mission Critical Mail Filter V1.1」の特徴は次のとおり。
1. メール無害化機能を強化
従来のメール無害化機能ではインターネット接続環境にメールの原本を保管した上で、添付ファイルの削除を行いイントラネット環境にメールを配送している。一方、今回の機能強化では、添付ファイルを削除せずにイントラネット環境にメールの配送を可能とする2種類のオプションの提供により、セキュリティを確保しつつ、利便性を向上する。
(1) PDF変換オプション:受信メールに添付されたWordやExcel、PowerPointなどのファイルを自動でPDFファイルに変換しマクロのスクリプトなどを削除してから、メール受信者に配送する機能を提供。複数ファイルが1つにZIP圧縮されている場合でも、それぞれをPDFファイルに変換して配送可能。
(2) ファイル無害化連携オプション:NECのファイル無害化ソリューション「File Sterilization Server」との連携により、メールの添付ファイルに対して拡張子と本来のファイル構造を比較し、マクロのスクリプトを削除することによって無害化を行うサニタイズ機能を備え、ファイルによるマルウェア感染リスクを排除する。
2.「Mission Critical Mail Archive V1.1」により、オブジェクトストレージに対応したメールアーカイブ機能を提供
オプションとして新たに提供するメールアーカイブ機能は、オブジェクトストレージとNASに対応。オブジェクトストレージへの対応により、必要最低限のストレージ容量から運用を開始でき、保存期間の延長などアーカイブデータが増える場合も容量の拡張が容易。
アーカイブデータの格納先としては、「NEC Cloud IaaS」や「AmazonS3」などのクラウドストレージや、オンプレミス環境ではNEC iStorage HSシリーズなどAmazon S3互換APIをサポートしたストレージを利用可能。
なお、アーカイブデータを格納する際には暗号化を行うため、クラウドストレージへの保存時にも安全性を高めたデータ保管を実現する。
3.メールフィルタプラグイン機能により多様なメール要件に対応
パートナー企業などが独自のフィルタ機能の追加開発が可能なメールフィルタプラグイン(milter互換)機能を標準で提供。これにより多様なメールセキュリティ要件やコミュニケーション要件に対応。例えば、「Mission Critical Mail Filter」で受信したメールデータを独自の暗号化システムで暗号化して配送することができる。
ほかにも、受信した障害通知メールなどをLINEやFacebookといったソーシャルメディアへ通知することや、またその通知対象を特定のキーワードが含まれているメールに限定すること、通知内容をタイトルのみに限定するなどの制御も可能。
新バージョンではほかにも、新たにMcAfee社エンジンを搭載したウイルス対策オプション「Mission Critical Mail Filter/Anti-Virus(GroupShield)」を提供し、従前より提供するトレンドマイクロ社エンジン(Mission Critical Mail Filter/Anti-Virus(InterScan)との組み合わせによる2重チェックを実現する。