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EnterpriseZine Press

海外ベンダーが猛威をふるう中、「国産AI」に勝ち筋はあるのか?開発者×政府×弁護士が現状を徹底議論

日本企業がAI活用を成功させるために、変革すべきこととは

 昨今は、生成AIが社会に浸透し利便性が語られる段階から、いかにしてそれを実社会に組み込むかという「実装」のフェーズへと移行している。2026年1月20日に開催された「データ共創会議2026」のセッション「国産AIは実現するのか?」では、Preferred Networks エンジニア 今城健太郎氏、デジタル庁 デジタル社会共通機能グループ 統括官 楠正憲氏、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 弁護士 落合孝文氏、AIガバナンス協会業務執行理事 兼 事務局長 佐久間弘明氏が登壇。日本の技術、行政の意志、そして法規制という3つの観点から、国産AIの現在地と未来が語られた。

国産LLMの開発には“今”参入すべき

佐久間弘明氏(以下、敬称略)本セッションでは、そもそもなぜ国産AIが必要なのか、またそれを実現していく、ないしは広めていくためにどんな課題があるのかなどを考えていきます。今回、モデレーターを務める佐久間です。私は、AIガバナンス協会の運営に携わっており、以前は役所、AIセキュリティを取り扱うスタートアップ企業などに属していました。ではさっそく、皆さまにお話をうかがっていきましょう。まずは今城さん、自己紹介とともに「国産AI」についての考えを教えていただけますか。

今城健太郎氏(以下、敬称略)今城健太郎こと、いもすと申します。私は、AtCorderという会社を創業した後、Google Japanを経て、現在はPreferred Networksに所属しています。金融時系列予測モデルの研究開発や、数少ない国産LLMのひとつである「PLaMo」の種特化モデルである「PLaMo翻訳」の開発などに携わっています。PLaMo翻訳に関しては、現在デジタル庁が提供するガバメントAI「源内」に組み込まれ、翻訳機能として動かしていただいています。今回は、PLaMo翻訳開発の話と「LLMの現在」というテーマでお話しできればと思います。

 PLaMo翻訳は、ブラウザベースの翻訳特化型LLMです。構造としては、弊社が開発した国産LLM上に翻訳モデルを作っているんですが、その経緯について簡単に説明すると、海外産のLLMは日本語の割合が非常に少ないんですよね。日本語のデータは全体のデータの数%以下ですが、弊社のモデルだと約半分が日本語のデータです。加えて、特定のタスクに特化したSLMに関しては、モデルサイズが小さくなると事前学習時にデータが入っていない領域の知識は質が落ちてしまいます。そのため、日本語の知識を有効活用するうえでは、弊社のモデルをはじめとした国産のLLMが有利だと思っています。

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 また、国家がLLMを利用するにあたって、自分たちの考えを整理し実行に動かしていくプロセスを海外産のモデルに依存することは、非常に危ないのではという思いもあり、国産LLMの開発に注力しています。

 「OpenAIのモデルなどにも日本語データは豊富に入っているではないか」という声もあるかと思いますが、各LLMモデルは“正しさ”に関するひとつの指針をもっています。たとえば日本とアメリカでは、「正しい」と判断される考え方は少しずつ異なるので、そこも重視すべき点かと思います。

 なかでも弊社のモデルは、他のモデルと比較して日本国の産業に詳しく、法律などの情報を取り込める余地があるため、そこは今後発展させていきたいもののひとつです。

 また、国産LLMの開発には“今”参入すべきだと考えています。というのも、今はデータを集めればその分計算資源が集まるといった状況ですが、それを継続的に繰り返さなければ、何年後かにはデータが枯渇し他国と比べて大きな後れをとることになるでしょう。そのため、今から継続的にデータを集め続けるべきだと考えています。

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奥谷 笑子(編集部)(オクヤ エコ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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