2016年~2021年の年間平均成長率はマイナス0.8%の見込み
発表によると、2017年の国内エンタープライズインフラストラクチャ市場の支出額は、前年比0.9%減の7,213億900万円になると予測している。また、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はマイナス0.8%を見込んでいる。その結果、2021年の同市場は6,987億7,300万円になるとみている。
同市場をサブマーケット別に見ると、2017年における国内クラウドインフラストラクチャ市場が前年比16.2%増の1,974億4,800万円、2016年~2021年のCAGRは7.4%で2021年には2,431億600万円になると予測している。一方で、国内トラディショナルインフラストラクチャ市場は、2017年が前年比6.1%減の5,238億6,100万円、CAGRがマイナス4.0%で2021年には4,556億6,700万円になる予測している。
デジタルトランスフォーメーションへの取り組みによる新規需要でプラス成長を持続
国内クラウドインフラストラクチャ市場は、クラウド化されていないトラディショナルITからの需要シフトに加えて、 デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みによる新規需要によってプラス成長を持続する。ビッグデータ、IoT(Internet of Things)やコグニティブ/AI(人工知能)システムなどといったイノベーションアクセラレーターを活用したDXの実現に注力する企業が国内において増加し、また、このような動きが活発化することで、ITの用途が広がり新規需要が創出される。
なお、DXとは、企業が第3のプラットフォーム技術(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用し、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデル、新しい関係を通じて、価値を創出し、競争上の優位性を確立することを意味する。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャのグループマネージャーである福冨里志氏は「エンタープライズインフラストラクチャベンダーは、IT 活用による新規ビジネスの創出を目指す顧客とのエンゲージメントを深め、DXへの取り組みを支援し、さらに活発化させることを求められている」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内エンタープライズインフラストラクチャ市場予測アップデート、2017年~2021年」にその詳細が報告されている。