次世代の高速携帯通信網の5Gの開発が進んでいる。中でも重要な役割を担うのは韓国と日本であり、平昌オリンピックの実証を経た後の「2020年の東京オリンピックは5Gの重要な指標となる」と語るのは、キーサイト・テクノロジーのチエ・ジュン氏だ。
キーサイトとは、5Gの技術の代表的な企業。元々はHP(ヒューレッド・パッカード)であり、その後分社を経てアジレント・テクノロジー社となり、現在のキーサイト・テクノロジーに至る。「キーサイトの本社のあるカリフォルニアのサンタローザはミリ波のメッカ」とチエ氏は言う。
日本でも横河・ヒューレット・パッカードの時代を経て「計測」の代表企業として歴史は長いことからも、「日本は5Gの重要な国」とチエ氏は語る。5G商用化に必要な技術のひとつが「ミリ波」という周波数への対応だ。
4月10日に行われたプレス会見ではチェ氏は、5Gの課題が「ミリ波への対応」であること、現状の課題は2020年のサービス開始に向けて開発・製品化のスケジュールが非常に重要であることを語った。
「現状はまだ様々な測定規格が決まっていない。2020年に向けて急ピッチで進めなければならない。そのためには国ごとの縄張りにこだわらず、グローバルでアプローチしていく必要がある。キーサイトの担うべき役割は大きい」(チエ氏)
こうした状況に応えるためキーサイトは軍事防衛の長い経験で培った技術を元に、5Gのレイヤ1からレイヤ7に至るまでの領域にわたって計測ソリューションを提供していくという。研究、開発、認証試験、製造のトータルなプロセスを通じてツール群を揃え、オートメーション化を図り、全体を通じたワークフローを提供していく考えだ。
「日本からグローバルに向けての5Gのテクノロジーを発信していく。2020年の東京は5Gのショーケースとして世界から注目されるだろう」とチエ氏は語った。