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ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2018年」で5つの先進テクノロジ・トレンドを発表

2018/08/22 14:15

 ガートナーは、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2018年」を発表した。ハイプ・サイクルで取り上げた注目すべき35の先進テクノロジは、人とマシンの境界を曖昧にする5つの先進テクノロジ・トレンドを形成するという。企業は近い将来、生き残りをかけて「遍在性(ユビキタス)」「常時利用性」「ビジネス・エコシステムとのつながり」に対応することになるが、その上で、人工知能(AI)などの先進テクノロジは極めて重要な役割を果たすとしている。

 「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は、数あるハイプ・サイクルの中でも独特のものであり、2018年版では2,000を超えるテクノロジを分析した上で知見を抽出し、35の先進テクノロジおよび5つのトレンドとして簡潔にまとめ提示している。このハイプ・サイクルでは、今後5~10年にわたり、高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジにとりわけ注目している。

先進テクノロジのハイプ・サイクル:2018年(出典:ガートナー)

5つの先進テクノロジ・トレンド

 1. AIの民主化

 AIテクノロジは今後10年間で、ほぼどこにでも存在するようになる。AIテクノロジを早期に採用した企業は、新たな状況に適応し、未知の問題を解消できるようになる。また、AIテクノロジが一般に利用されるようになり、「AIの民主化」が起こる。クラウド・コンピューティングや「作り手」のコミュニティ、オープンソースといった動向やトレンドが発展し、最終的にAIは誰もが使えるものになる。

 ■このトレンドを実現するテクノロジ:

  • AI PaaS(サービスとしてのAIプラットフォーム)
  • 汎用AI
  • 自律走行(レベル4/5)
  • 自律モバイル・ロボット
  • 会話型AIプラットフォーム
  • ディープ・ニューラル・ネット(ディープ・ラーニング)
  • 空飛ぶ自律走行車
  • スマート・ロボット
  • 仮想アシスタント

 2. エコシステムのデジタル化

 先進テクノロジは、それを実現する基盤の革新を必要とする。この基盤が、十分な量のデータ、高度なコンピューティング・パワー、ユビキタスに対応したエコシステムを提供する。コンパートメント化(区分)された技術インフラを、エコシステムに対応したプラットフォームへ革新させることで、人とテクノロジを橋渡しするまったく新しいビジネスモデルの基盤を形成する。

 ■このトレンドを実現するテクノロジ:

  • ブロックチェーン
  • ブロックチェーンによるデータ・セキュリティ
  • デジタル・ツイン
  • IoT(モノのインターネット)プラットフォーム
  • ナレッジ・グラフ

 3. DIY(自己流)バイオハッキング

 あと10年もすれば、人類は「トランスヒューマン」時代に突入する。生活スタイル、関心事、健康上のニーズに応じて、バイオハッキング(遺伝子実験)が可能になる。バイオハッキングは、「テクノロジの強化」「ニュートリゲノミクス(栄養ゲノム学)」「実験生物学」「グラインダーによるバイオハッキング(人体への電子機器の埋め込み)」という4つのカテゴリに分類される。

 一方で、このようなバイオハッキングの用途に対し、社会の受け入れ態勢はどの程度整っているか、またどのような倫理的問題が生じるかについては、いまだに疑問が残っている。

 ■このトレンドを実現するテクノロジ:

  • バイオチップ
  • バイオ技術(培養組織/人工生体組織)
  • ブレイン・コンピュータ・インタフェース
  • 拡張現実(AR)
  • 複合現実(MR)
  • スマート・ファブリック

 DIYバイオハッキングに関する先進テクノロジも、ハイプ・サイクル上を急速に進んでいる。複合現実(MR)は幻滅期に位置付けられ、拡張現実(AR)は幻滅期のほぼ底に達しった。先行していたこれらのテクノロジの後をバイオチップが追いかけている。バイオチップは、ちょうど「過度な期待」のピーク期に入ったところであり、これから5~10年で生産性の安定期へと進んでいく。

 4. 透過的なイマーシブ・スペース

 テクノロジは、今後もさらにPeople Centric(人中心)の原則にのっとったものとなり、人、ビジネス、モノが透過的に関係するレベルに至ると思われる。テクノロジの適用範囲が広がり、われわれが活動する生活空間やワークスペースがスマート化される。

 ■このトレンドを実現するテクノロジ:

  • 4Dプリンティング
  • コネクテッド・ホーム
  • エッジAI
  • 自己修復システム・テクノロジ
  • シリコン負極電池
  • スマート・ダスト
  • スマート・ワークスペース
  • 立体ホログラフィック・ディスプレイ

 5. ユビキタスなインフラストラクチャ

 インフラストラクチャは、もはや組織の「お荷物」でも、目標の達成を阻むものでもない。クラウド・コンピューティングとそれに類する多くのテクノロジが登場し大衆化したことで、時間を問わずに利用可能な、制限のないインフラストラクチャ・コンピューティング環境が実現したからだ。

 ■このトレンドを実現するテクノロジ:

  • 5G
  • カーボン・ナノチューブ
  • ディープ・ニューラル・ネットワーク向けASIC
  • ニューロモルフィック・ハードウェア
  • 量子コンピューティング

 ユビキタスなインフラストラクチャを支えるテクノロジは「過度な期待」のピークに達しつつあり、ハイプ・サイクル上を急速に進んでいる。特に5Gとディープ・ニューラル・ネットワーク向けASICは、今後2~5年間で生産性の安定期に達すると見込まれる。

 なお、ガートナーは「Gartner Symposium/ITxpo」で先進テクノロジに関してさらなる分析を紹介するという。このイベントは、日本では2018年11月12日(月)~14日(水)に東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで開催される。

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  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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