SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZineニュース

次世代モニタリングシステム、2022年度末での国内工場・製造分野の普及率は42.1%――矢野経済研究所が予測

次世代モニタリングシステム 国内工場・製造分野での普及率推移・予測

1. 市場概況――データ収集の従来型から収集データ活用の次世代モニタリングへ

 次世代モニタリングシステムとは、IoT関連テクノロジーを活用した遠隔監視システムで、センサーネットワークやM2Mなどで収集した膨大なデータを、クラウドやビッグデータなどの技術で集積し、解析・アナリティクス・AIテクノロジーなどを用いて分析・判断・評価を行う仕組みである。

 2000年代以降徐々に遠隔監視システムは、データセンターやクラウドの普及、ネットワーク環境の深化を背景として、データ収集(見える化)からデータ活用へとステージが変化してきている。

 矢野経済研究所では、国内工場・製造分野における次世代モニタリングシステムの2017年度末時点の普及率を21.1%(103工場、分母は従業員規模1,000人以上企業の487工場)と推計した。

 既に工場の新設及び設備更新時には、次世代モニタリング仕様を組み込んだ製造設備を導入する動きも顕在化してきており、今後も導入件数が増加し、2022年度末時点の普及率は42.1%(205工場)になると予測する。

 次世代システム採用により、工場では「状態監視/稼動の見える化」「データ収集・記録」といった従来フェーズに加え、IoT関連テクノロジーを活用することによって「保全業務の高度化(予防保全など)」「業務効率化(開発、製造、保全)」「製品開発/顧客サービスへの反映」といったことが可能になってきた。

 欧米の先進的なユーザ企業では、製造現場や出荷製品の稼動状態をデジタル情報として常時モニタリングできる仕組みとして、「デジタルツイン」や「CPS(Cyber Physical Systems)」の検証が進んでいる。

 従来型の遠隔監視から次世代モニタリングへの変遷を見た場合、最大のポイントは「データの扱い」である。従来型の遠隔監視ではデータ収集が主目的であったが、次世代モニタリングでは収集データを活用することがポイントで、この点に最大の特徴がある。

2. 注目トピック――保全業務で期待の大きなITモニタリング

 遠隔監視や次世代のIoTを活用したモニタリング(ITモニタリング)システムの採用先として最も期待が大きいのが工場・製造分野である。工場・製造分野では、以前から生産機器・設備や生産ライン、ボイラーや空調機器、ポンプ等のユーティリティ設備などの遠隔監視を実施していた。

 ただし、多くの場合、データは中央監視室などの工場内に止まっており、現場データの工場外への持ち出しやクラウド活用といったアプローチは一部に止まっていた。

 しかし、2010年以降、特に設備保全業務においてITモニタリングを利活用するケースが増えており、なかでも産業機器メーカー主導でITモニタリングを行う事例が増えた。保全業務は、生産性向上/稼働率アップや安全性向上のためには不可避の業務である。

 一方で、出来るだけ保全コストを下げたいという要求もある。この両者を充足させる手段として、ITモニタリングへの期待は大きいと考える。

3. 将来展望――次世代モニタリング仕様を組み込んだ製造設備導入の動きも顕在化

 工場・製造分野においては、既に次世代モニタリング導入が進んでいるユーティリティ設備に加えて、短期的には大型や高額、高速な生産設備・機器での採用が進む見込みである。また、工場の新設及び設備更新時に、次世代モニタリング仕様を組み込んだ製造設備を導入する動きも顕在化してきている。

 これらの動きに触発されて、製造業向けのサービスタイプのビジネスモデル、具体的には機器販売ではないサービス販売モデルが創出され始めており、そこに次世代のIoTを活用したモニタリング(ITモニタリング)需要が期待される。

 そして2030年以降には、ほぼ全ての製造機器・設備でのサービスビジネスモデルの採用(ITモニタリングの活用)が実現すると考える。

 ユーザー企業における採用動向をみると、2020年頃までは売上高3,000億円以上の大企業が主導するが、2020年頃からは大企業での成功が前提であるが、売上高500~3,000億円の中堅・準大手メーカーへの浸透が見込まれる。

 その後の10年ほどは中堅メーカー以上のレイヤーで普及期にあたり、さらに2030年頃からは、中小メーカーを含めたほぼ全ての製造業でITモニタリングの活用が実現すると考える。本格的なデータ活用時代に移行するであろう。

 今回の発表について、詳しくは矢野経済研究所が刊行した「次世代モニタリングビジネスの現状と中期展望2019 ~レガシー型遠隔監視からIoTモニタリングへの移行実態~」に掲載されている。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/11744 2019/02/25 15:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング