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週刊DBオンライン 谷川耕一

多くの企業がPPAPをやめられない理由と「脱PPAP」実現の方法をHENNGEに訊いた

 HENNGE Oneは、Microsoft 365、Google Workspace、BoxやLINE WORKSなど、複数のクラウドサービスへのセキュアなアクセスとシングルサインオンを実現するSaaS認証基盤(IDaaS)、さらに、メール誤送信対策、メールアーカイブ機能なども提供する国産ベンダーだ。同社はホライズン・デジタル・エンタープライズとして1996年に設立され、2019年にHENNGEに社名を変更した。設立当初はLinuxサーバーの管理ツールを提供するベンダーだったのだ。

Linuxサーバーの管理ツールから始まりメールセキュリティへと拡大

HENNGE株式会社 West Japan Sales 西日本統括営業部長 斉藤秀樹氏
HENNGE株式会社 West Japan Sales 西日本統括営業部長 斉藤秀樹氏

 同社が事業を開始した、1996年頃のLinuxサーバーの管理は、コマンドラインベースだったため、誰でも簡単にできるようなものではなかった。そこで独自ユーザーインターフェイスの管理ツール「HDE Controller」を開発し提供した。また、HDE Controllerのユーザーは、Linuxサーバーでメールシステムを構築するケースが多かった。そのため顧客からも要望の多かった、数多くのメールを分散して送る独自のメール配信システムも提供した。さらに取り組んだのが、メールのセキュリティだった。メールのウイルス対策や、安全なファイル転送の仕組みとしてパスワード付きzipファイルとそのパスワードを別送する「PPAP」の機能などを、オンプレミスのソフトウェアで展開した。

 2011年の東日本大震災を期に、大規模な災害にも対処できるようHENNGEはオンプレミスからクラウドへとビジネスをシフトする。メールセキュリティ関連ツールもクラウドで提供するようになる。この頃、メールは既にビジネスに欠かせないツールとなっていた。ビジネスで頻繁に使うようになると、メール環境にもさまざまな攻撃がされ、多様なリスクが生まれる。

 そうすると当初は安全なファイル受け渡し法だと思われていたPPAPも、安全性を高めることにはならないと認識されるようになる。他にもメールのToに大勢の宛先を指定してしまったり、宛先にビジネス利用には適さないフリーメールの宛先が含まれたりといった、メールに関わる新たなセキュリティリスクも明らかになる。それらに対応するため、HENNGEではメールのフィルタリング機能などを追加し安全性の担保を目指してきたという。「さらに機能提供だけでなく、フィルタリング設定の代行なども行っています」と言うのは、HENNGE株式会社 West Japan Sales 西日本統括営業部長の斉藤秀樹氏だ。

 メールセキュリティの運用代行まで請け負うことで、企業が求めるメールセキュリティに関するノウハウとナレッジがHENNGEに蓄積され、それを新たな製品の開発にフィードバックできる。また製品を知り尽くしたベンダー自らが、自社製品を用いセキュリティ対策をすることでより安全性が高まり「顧客のビジネスを止めるようなこともありません」と斉藤氏。この取り組みは、製品提供だけでなく製品を活用するビジネスのサービス化にも貢献している。

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PPAPが捨てられない理由とは何か?

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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