インテルは、2回目の開催となる年次のIntel Innovationイベントで、シリコンレベルで「Systems of Chips」を実現させるオープン・スタンダードの推進から、効率的かつ移植性の高いマルチアーキテクチャーAI(人工知能)の開発まで、数々の最先端テクノロジーを公開した。
また同社は、広範な開発者エコシステムの支援として、課題の解決と、今後数世代にわたるイノベーションの実現に寄与するハードウェア、ソフトウェア、サービスなど、新製品の発表も実施。
インテル コーポレーション CEO(最高経営責任者)のパット・ゲルシンガー氏は基調講演で、開発者が直面している多くの課題の中から、特定ベンダーへの依存(ベンダーロックイン)や、最新ハードウェアの利用、生産性と市場投入に要する時間、セキュリティなどを取り上げ、解決策となるソリューションを提示したという。その一部は次のとおり。
Intel Developer Cloud
Intel Developer Cloudは、インテルのテクノロジーを製品発売の数ヵ月前から最長で1年先行して有効利用可能。一部の顧客と開発者は、第4世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー(開発コード名:Sapphire Rapids)、広帯域幅メモリー(HBM)を内蔵した第4世代 インテル Xeon プロセッサー、インテル Xeon Dプロセッサー、Habana Gaudi2 ディープラーニング・アクセラレーター、インテル Data Center GPU(開発コード名:Ponte Vecchio)、インテル Data Center GPU Flexシリーズの試用とテストが可能だとしている。
コンピューター・ビジョンAIを実現
コラボレーション型の新しいインテル Geti コンピューター・ビジョン・プラットフォーム(従来の呼称:Sonoma Creek)により効果的なAIモデルを開発できるようになるという。このプラットフォームにより、1つのインターフェースを介してデータのアップロード、アノテーション、モデルの学習と再学習のすべてが可能になり、モデルの開発に要する時間とコストの削減に加え、AIの専門知識も不要になるとのこと。OpenVINOツールキットへの最適化が図られており、開発チームは高品質のコンピューター・ビジョンAIを社内に導入して、イノベーションと自動化、生産性の向上を促進できるという。
Intel Developer Cloudは、インテル oneAPI ツールキットやインテル Getiプラットフォームなど、パフォーマンスの最適化を念頭に設計された開発者用のツールやリソースとの併用により、インテル プラットフォーム上に構築されたソリューションの市場投入までの時間を短縮するとしている。
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