アリババクラウドは、ジャカルタで開催されたアリババクラウドデータ管理サミットにおいて、生成AI機能の構築に特化したワンストップソリューション「AnalyticDB(アナリスティクデービー)」のアップグレード版のリリースを発表した。AnalyticDBベクトルエンジンの機能強化により、カスタマイズされた生成AI機能を構築するための様々な大規模言語モデル(LLM)へアクセスしやすくしたという。
またアリババクラウドは同イベントで、PolarDBとAnalyticDBを統合して包括的なデータ処理・分析機能をグローバルに提供するダイナミックソリューション「ApsaraDB HTAP(Hybrid Transactional & Analytical Processing)」を発表。ワンストップのクラウドネイティブなデータ管理・データ提供プラットフォームとしてアップグレードしたとしている。この統合フレームワークにより、AnalyticDBベクトルエンジンは多様なLLMと接続し、質問応答機能を提供。企業は独自の知識ベースを活用して、最短30分でカスタマイズされた生成AIアプリケーションを構築し、起動できるという。
さらに同社は、PolarDBとAnalyticDBを統合したソリューションである「ApsaraDB HTAP」が、海外の利用者向けに利用可能になったことをあわせて発表。ApsaraDB HTAPは、PolarDBのトランザクション処理とAnalyticDBのデータ分析機能からデータを同期する統合プラットフォームをユーザーに提供するという。このクラウドネイティブのHTAPソリューションを採用したことで、ゲーム業界の利用者は最近、100%のパフォーマンス向上と50%のコスト削減を達成したとのことだ。
アリババクラウド・インテリジェンス データベース製品事業 プレジデント リ・フェイフェイ(Feifei Li)氏のコメント
「世界中の企業が生成AIの最適な導入・活用をするために、効率的で拡張性があり、手頃な価格でカスタマイズ可能なAIモデルの作成をサポートするデータベース・サービスへの需要が高まっています。AnalyticDB分析データベースのアップグレードにより、企業は独自の知識ベースを活用してカスタマイズされた生成AIモデルを活用できるようになりました。クラウドネイティブ、データファブリック、統合、インテリジェントのトレンドは、データベース革新の新たな波を牽引し、データベース業界のデファクトスタンダードとなっています。当社は、クラウドネイティブなデータベースシステムにさらに投資を行い、急速に変化するビジネス環境の中で利用者の成長を支援する新たな方法を模索し続けます」
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