アリババクラウドは、機械学習の推論・学習、高性能計算(ハイパフォーマンス・コンピューティング)およびグラフィックス仮想化を可能にするGPUアクセラレーテッドインスタンスを日本市場に導入することを発表した。
「Alibaba Cloud Kubernetes」をベースにしたクラウドネイティブなAI Suiteの導入により、アルゴリズムエンジニアやサイエンティストがAIモデルトレーニングのO&M(Operation & Maintenance)環境を簡素化し、よりコスト効率に優れた方法でAIプラットフォームを構築できるようになるとしている。
Eコマースや自動車業界向けAIソリューションの提供開始
Eコマースや自動車業界が抱えるビジネスのニーズに応えるために、アリババ DAMOアカデミーで開発された技術を活用した「ビジュアルAIソリューション」を導入するという。
「EC商品画像解析AI(EC Product Image Analysis)」は、Eコマース事業者がオンラインの商品在庫をより適切に管理できるよう支援するソリューション。写真がアップロードされると、商品を自動的に識別し、服のカテゴリーや柄、色、襟の種類に至るまでの情報を抽出して、商品に合うラベルを付与することができるという。
「自動車プライバシー保護(Vehicle Privacy Protection)」は、中古車売買サイトにおける車両所有者のプライバシーを保護するソリューション。高精度のセグメンテーション技術を活用することで、中古車販売サイトでは車両の所有者が投稿した写真のナンバープレートや背景の情報に自動でモザイクをかけて、車両のみの詳細情報を提供できるとしている。
また、「車両損傷評価(Vehicle Damage Assessment)」は、車両の外観上の破損箇所を自動的に特定し、破損の位置や度合いなどの評価結果を提供。保険調査員は過去のデータを参照でき、修理費の見積りプロセスを効率化できるという。
同カントリーマネージャーであるユニーク・ソン(Unique Song)氏は、「日本のお客様のビジネスの成長をサポートするために、実績のある世界トップクラスのAI技術を多数、日本市場に導入できることを嬉しく思います。デジタル時代において、バックエンドインフラストラクチャから産業用ソリューションまで、安定性を備え、かつ費用対効果に優れたAIを提供することで、お客様に新たな価値をもたらせると考えています」と述べている。
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