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「SaaS is NOT Dead」Zoomの今後のAI戦略とは 音声AIを活用する奈良市の事例も

 ZVC JAPAN(以下、Zoom)は2026年2月19日、メディア向け発表会にてAIを中核に据えた最新の事業戦略を発表した。発表会では同社のAI戦略のほか、自治体として国内で初めてZoomの音声系ソリューションをフルラインアップで導入した奈良市の事例が紹介された。

(左から)ZVC JAPAN株式会社 日本事業戦略部長 坂井悠樹氏

同社 執行役員 エンタープライズ営業本部 メジャー営業部 部長 佐藤仁是氏

 同社 日本事業戦略部長の坂井悠樹氏は、昨今のIT業界で囁かれる「SaaS is Dead」という言説に対し、「SaaS is NOT Dead」であると主張する。SNSなどで、「AIを利用してアプリケーションを作れた」という声はよく耳にするが、それはあくまでも「作れた」というフェーズにとどまると同氏は指摘。その後の業務設計や成果物の品質維持なども、AIにすべて任せられるかどうかという別問題が生じているとした。

 また、SaaSを提供しているベンダー企業各社は「むしろAIを活用し、開発力を増していくだろう」と述べる。巷では、まだ開発工程にAIを活用していないエンジニアも多いとしながら、今後はAIの活用によりサービスのUI/UX改善などが見込まれ、今以上に使い勝手の良いものが増えていくだろうと予測した。

 ただし、「AIの加速によりSaaS業界に変化が生じていることは確かだ」とも坂井氏は語る。AIは、従来SaaSが代替してきたシステム費用よりもはるかに大きな人件費を削減できる可能性を秘めている。たしかにAIに投資マネーが移り始めていることは事実であるとしながら、「SaaSが死ぬことはない」と自らの意見を述べた。

 続けて坂井氏は、Zoomが提唱する「AIファースト」の概念について説明。同社が2023年からサービス提供を開始しているAIアシスタント「Zoom AI Companion」は、自社で開発したSLMのほかに、複数のLLMを組み合わせる「フェデレーテッド・アプローチ」をとっている。これにより、高精度を維持し続けながら、議事録作成や未読チャットの要約、アクション提案の自動化などを実現するという。

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 次に、同社 執行役員 エンタープライズ営業本部 メジャー営業部 部長の佐藤仁是氏より、AI戦略を具現化した先進事例として奈良市との取り組みが紹介された。奈良市は2026年2月10日、Zoomと「音声コミュニケーション及びAI活用事業に関する協定」を締結。同市では、「Zoom Phone」による庁内電話のクラウド化に加え、AIによる自動応答を可能にする「Zoom Virtual Agent」やコンタクトセンター機能を一括導入した。これにより、職員が市民からの電話対応に追われ、本来の業務が中断されるという長年の課題に対し、AIが一次受けを担うことで解決を図った。

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 佐藤氏は、奈良市の事例における「課題解決」の側面を強調する。市民からの問い合わせの多くは、AIがFAQに基づいて即座に回答可能な内容であり、これを自動化することで職員の事務負担を軽減できる。また、すべての通話内容をリアルタイムでテキスト化・要約することにより、情報の引き継ぎミスを防ぐだけでなく、録音データの蓄積が不当な要求に対するハラスメント対策としても機能しているとのことだ。同氏は「AIによる音声データの可視化と分析は、自治体運営の透明性と効率性を同時に高めるものだ」と語った。

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奥谷 笑子(編集部)(オクヤ エコ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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