KADOKAWAは、2024年6月8日に起きた同グループへのサイバー攻撃による大規模システム障害を受け、事業の現状と取り組み、調査状況などを報告した。
システムと事業活動の回復状況
現在、安全なネットワークおよびサーバー環境の構築に取り組んでいるとのこと。その中でも、経理機能の立て直しと、出版事業の製造・物流機能の正常化を最優先事項として取り組んでおり、経理機能については、アナログ対応も含め7月初旬に復旧する目途が立っているという。
出版製造については、重版は優先順位をつけて製造を行っているのが現状だが、新刊は平常時の水準を維持しているとのことだ。なお電子書籍に関しては、現在は制作への影響は発生していないとしている。出版物流においては、既刊の出荷部数は平常時の3分の1程度になっているが、新刊は平常時と同等の水準を維持しているという。
その他影響を受けている主な事業の現状
Webサービス事業
- ニコニコファミリーのサービス全般、およびニコニコアカウントによる外部サービスへのログインは停止中
- 一方で「ニコニコ動画(Re:仮)」に続いて、「ニコニコ生放送(Re:仮)」「ニコニ・コモンズ(Re:仮)」などのユーザー向け臨時サービスの提供を開始したことに加え、「ニコニコ漫画 スマートフォン版Webサイト」「NicoFT」など既存サービスを再開。既存サービスである「ニコニコチャンネルプラス」は、6月28日に再開予定
MD事業
- 商品の卸売に関しては、現時点で発生している影響は限定的であり、出荷機能についても概ね平常通りに回復している
- 同社運営のオンラインショップは、同社が提供するアカウント認証機能に不具合が生じていることにより、同機能の導入店において当該ユーザーがログインできない障害が発生。なお、これらショップの一部では代替の認証機能導入の検討・準備を進めている
- アクセスができない障害が発生しているオンラインショップについては、暫定的に同社が運営する別のショップ内に臨時ページを開設するなどの対応を行っている
情報漏洩の調査状況
現在、情報漏洩の可能性に関して外部専門機関等の支援を受けながら調査を実施しているとのこと。なお、「ニコニコ」サービスを含む同グループの顧客のクレジットカード情報については、社内でデータを保有していないため、同社からの情報漏洩は起こらない仕組みになっているという。
7月中には、調査結果に基づく情報が得られる見通しだとしている。
【関連記事】
・日本マクドナルドでシステム障害、全国で一時営業停止の店舗多数
・全銀ネット、NTTデータが会見「システム障害の原因は開発プロセスと検証不足、再発防止に努める」
・NTTデータが全銀システム障害について謝罪、「開発・運用・移行」の見直しを表明