AOSデータは2024年8月22日、AIデータ管理システム「AIデータALM エネルギー」の提供を発表した。
同サービスは、エネルギー業界に特化した機能と特徴を備えた、エネルギーデータのAIライフサイクル全体を効率的に管理するための、クラウドストレージのSaaSサービス。マルチモーダルAIにも対応しているという。主な特徴は以下のとおり。
- アクセス権限管理機能:エネルギー業界のデータをバックアップし、どこからでもアクセスできるようにする
- ファイルビューアー機能:専用ソフトを使用しなくても様々なデータを閲覧し、チームと安全に共有できる。また、すべてのドキュメントのバージョンと変更を追跡できる
- VDRドリブンセキュリティ:セキュリティとコンプライアンスを最大化して、エネルギー業界の内外の関係者のデータを安全に保つ
- ドキュメントへの検索用メタデータ付与:AI活用を見据え、検索用メタタグ機能を搭載。データの検索性を強化
- 大容量データ管理機能:大容量長期保管向けアーカイブシステム機能を備えており、コスト削減を可能にする
- 機密性と安全性の提供:セキュリティプロトコルに基づいたエネルギーデータ管理を実現し、エネルギーデータの機密性と安全性を確保する
同サービスでAIに学習させることのできるエネルギーデータは、エネルギーの生産、消費、効率性、環境影響、価格などの分野に関する情報を含むという。同社は、これらを学習させることにより、エネルギー効率の最適化、需要予測、環境影響の予測、価格変動の予測などの分野での応用が可能になるとしている。また、政策決定や戦略的な意思決定を支援するためのインサイトも得られるとのことだ。詳細なデータの種類は以下のとおり。
<エネルギー生産データ>
- 発電量データ:発電所ごとの発電量(電力の種類別:火力、原子力、水力、風力、太陽光など)
- 再生可能エネルギー生成データ: 太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーの生産量
- 化石燃料生産データ:石油、天然ガス、石炭などの生産量、採掘量、精製量
- 発電効率データ:発電所ごとのエネルギー効率(熱効率、燃料効率など)
<エネルギー消費データ>
- 国・地域別エネルギー消費量:国や地域ごとのエネルギー消費量、セクター別消費(産業、家庭、輸送、商業)
- 産業別エネルギー消費データ:製造業、農業、運輸業、サービス業など、各産業セクターでのエネルギー消費
- エネルギー用途データ:エネルギーの使用目的別(暖房、冷房、照明、輸送、工業プロセスなど)の消費量
- エネルギー効率データ:家電製品、建築物、工業プロセスなどのエネルギー効率データ
<環境データ>
- 温室効果ガス排出データ:エネルギー生産・消費にともなうCO2やメタン、NOxなどの温室効果ガス排出量
- 汚染物質排出データ:エネルギー関連施設からの大気汚染物質(SOx、PM2.5など)の排出量
- エネルギー関連の環境影響評価データ:環境影響評価レポート、環境修復データ
<エネルギー価格データ>
- 燃料価格データ:原油、天然ガス、石炭、電力の市場価格、輸送コスト、精製コスト
- 電力料金データ:各国・地域の電力料金、家庭用・産業用の電力料金
- 再生可能エネルギーのコストデータ:太陽光パネル、風力タービンなど、再生可能エネルギー設備のコストデータ
<インフラデータ>
- 電力グリッドデータ:電力網の構造、送電線、変電所の位置、容量
- 燃料輸送・貯蔵データ:パイプライン、タンク、輸送船のデータ、燃料の輸送・貯蔵キャパシティ
- エネルギー貯蔵データ:バッテリー貯蔵、揚水発電、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)などの貯蔵システムのデータ
<政策・規制データ>
- エネルギー政策データ:各国のエネルギー政策、再生可能エネルギー促進策、補助金データ
- 規制データ:環境規制、排出量取引制度、エネルギー消費基準
<需要予測データ>
- エネルギー需要予測データ:短期・中期・長期のエネルギー需要予測、消費パターン分析
- 需要応答データ:電力需要に対する需給調整データ、ピーク時の需要管理データ
<技術データ>
- 技術革新データ:エネルギー技術の研究開発データ、新技術の導入事例
- エネルギー効率技術データ:省エネ技術、スマートグリッド技術、エネルギー管理システム(EMS)データ
<気象データ>
- 気温、風速、日射量データ:エネルギー需要や再生可能エネルギーの発電量に影響を与える気象データ
- 季節変動データ:季節ごとのエネルギー消費パターンに関するデータ
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