ジェーシービー(以下、JCB)と富士通は、明治大学 政治経済学部 教授 小早川周司氏の監修のもと、中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency:以下、CBDC)を活用したブリッジ(以下、中継サービス)による相互運用性の実現に向けたホワイトペーパーを共同で作成し、公開した。
JCBと富士通は、キャッシュレスサービスの相互運用性の実現といった業界横断的な課題に対し、CBDCが有効な受け皿の1つとなる可能性があると考えたという。そこで、小早川教授監修のもと、CBDCの活用方法の一例として、CBDCを活用した中継サービスによる相互運用性の実現に関し、共同でホワイトペーパーを作成したとのことだ。
同ホワイトペーパーでは、キャッシュレスサービスの相互運用性の実現を目的としてCBDCを活用し、多様なキャッシュレスサービス間でオンライン・オフライン取引を実行できる仕組みについて、論考を深めているとのことだ。
日本のキャッシュレスサービスが抱える課題として、異なるキャッシュレスサービス間でも送金・支払いができる相互運用性の実現があるとしている。この課題解決の方向性を、以下の2点を念頭に検討したという。
- 既存のキャッシュレスサービスやインフラを前提とし、また、多くのサービスと接続可能な、安価に価値交換を実現する仕組みの必要性
- 現在普及しているキャッシュレスサービスの2つのモデル、サーバー上でバリューを管理するサーバー管理型と、カードやスマートフォンのICチップ上でバリューを管理するチップ管理型の併存を前提に、サーバー管理型とチップ管理型のサービス間での送金・支払いを可能とする仕組み
JCBと富士通は、これからの金融取引を展望したCBDCの活用と、より安全・安心かつ便利な社会の実現に向けて、引き続き研究に取り組むとしている。
【関連記事】
・インテックとdotData、金融機関のデータ利活用分野で協業 データの可視化と生成AIで業務効率化へ
・NECとアイシン、生成AIが接客するデジタルヒューマンを開発 12月から金融業界向けに提供開始
・金融庁、金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習を実施へ 今回で9回目、170の金融機関が参加予定