New Relicは、Enterprise Technology Research(ETR)とともに調査と分析を実施し、第4版となる年次オブザーバビリティ(可観測性)予測レポート「2024 オブザーバビリティ予測レポート」の日本語版を作成し、発表した。
同レポートでは、16ヵ国1,700名の技術プロフェッショナルを対象に、オブザーバビリティの現状や導入予定、オブザーバビリティへの投資に影響を与える課題や外的要因(成長分野、トレンドなど)について取り上げているという。調査結果によると、ビジネス影響の大きいシステム停止による年間のダウンタイムの中央値は77時間で、1時間あたりのコストは190万ドル。調査結果は、フルスタックのオブザーバビリティを導入した場合、ダウンタイムの短縮、システム中断の減少、システム停止コストの削減との間に強い相関関係があることを示しており、運用効率とビジネスパフォーマンスの最大化においてオブザーバビリティが果たす重要な役割を裏付けているという。また、オブザーバビリティへのROI(投資収益率)は昨年の2倍から4倍へと向上し、導入効果がより顕著に表れた結果になったとしている。
レポートの主な結果は、次のとおり。
- 62%がビジネス影響の大きいシステム停止1時間あたりのコストは100万ドル以上と回答。エンジニアリングチームは障害対応に30%の時間を費やす:調査によると、ビジネス影響が大きいシステム停止では、62%の回答者がダウンタイム1時間あたりのコストが100万ドル以上に上ると回答し、その中央値は190万ドル。また、エンジニアリングチームがシステム中断への対処に費やした時間の中央値の割合は30%で、週40時間労働とすると12時間に相当するという
- フルスタックオブザーバビリティを実現している組織は、年間ダウンタイムが79%減少:平均すると、フルスタックオブザーバビリティを実現している企業は、実現していない企業に比べて年間ダウンタイムが79%減少し、1時間あたりのシステム停止コストが48%少ないという結果が得られたとしている
- 41%が、来年中にツール統合を予定していると回答:オブザーバビリティのツールについて、複数のポイントソリューションと比較して、単一の統合プラットフォームが2倍ほど多く望まれているという。実際、単一ツールを使用している回答者の数は前年比で37%増加。また、ツールの平均数は前年比11%減少したという。45%が依然として5つ以上のツールを使用しているが、41%は来年中にツールを統合予定と回答したとのことだ
- オブザーバビリティROIの中央値は4倍、前年の2倍に:オブザーバビリティへの年間支出の中央値は、すべての回答者の全体で195万ドル。一方で、オブザーバビリティから得られる財務上の年間価値の中央値は815万ドルとなり、ROIの中央値は4倍であったとしている。ROI中央値は、昨年レポートの2倍から4倍に倍増したという
- ビジネスオブザーバビリティの実現が効果を発揮:ビジネス成果をテレメトリーデータと関連付け、リアルタイムでレポートする機能(ビジネスオブザーバビリティ)は、オブザーバビリティベンダーに求める基準の1つであり、全体で3番目の選択肢だったとしている。実際、40%の回答者がビジネスオブザーバビリティを実現する機能を導入済みだという。平均すると、ビジネスオブザーバビリティを実現する機能を導入済みの企業は、そうでない企業と比較して、年間のダウンタイムが40%減少し、時間あたりのシステム停止コストに費やす時間が24%削減され、サービス中断への対処に費やす時間が25%短縮されているとのことだ
- 組織はAIテクノロジーを十分に活用するためにオブザーバビリティを導入:AIテクノロジーの導入は、オブザーバビリティのニーズを促す戦略やトレンドのトップであったという(41%)。約5人に2人(42%)がAI監視を、29%が機械学習(ML)モデル監視を、24%がAIOps機能を導入しているとのことだ。また、これらの機能を導入した企業は、導入していない企業に比べて、オブザーバビリティから得られる財務上の年間合計価値がより高くなる傾向にあったとしている
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