大手小売業が人事データを可視化、カギは「1つに絞らないこと」勘と経験に頼らないシステム構築の術
IT人材のスキルを活かしてデータの「ばらばら・ぐちゃぐちゃ・まちまち」問題を解決するには
メガベンチャーIT企業などが進める先進的データ統合法を、限られたリソースで実現するには
こうした人事領域のデータ統合に関わる課題解決への糸口について、田中氏は先進的な事例として某メガベンチャーIT企業の取り組みを挙げた。同社では複数のシステムを併用しながらも、精度の高い“データの一元化”を実現しているという。
「ピープルアナリティクスの先進事例として知られる企業では、IT人材のスキルを活かし、ばらばら・ぐちゃぐちゃ・まちまちといった問題を克服しています。ただし、非常に優れた取り組みであるからこそ、同様のことができる企業はごくわずかです」(田中氏)
このような状況を受けて、田中氏が所属するパトスロゴスでは、統合的な人事データ管理を一般企業でも実現可能とするための共創型HRプラットフォーム「PathosLogos(パトスロゴス)」を開発。同氏は「我々はHRデータのインフラ提供を目指しており、既に各種HR関連のSaaSと接続が可能な独自の連携基盤を構築している」と紹介した。

PathosLogosは、異なるSaaS間を接続する「共通のハブ」として機能し、データの統合管理・標準化・再利用を支援する。たとえば、SmartHRで入力したデータは、PathosLogosを経由してカオナビなどのタレントマネジメントツールと連携可能だ。「電化製品が共通のプラグでつながるように、ITの世界でも標準化された連携が可能になるべきだ」と田中氏。
従来のERPのような単一システムに依存せず、人事・給与、勤怠、健康管理、タレントマネジメントといった各領域に特化したSaaSを“一体化”したかのように活用できる環境が整う。田中氏は「これが、これからの人事データ整備のスタンダードになっていく」と語る。なお、同ソリューションの特長は下記3点だ。
- データの統合管理:各SaaSとの連携を通じて人事データが統合され、使えば使うほど“リッチな”データベースになる
- 事業環境の変化に柔軟に対応:SaaSの柔軟性を活かし、事業環境の変化に応じて迅速にシステム構成を変更できる
- 標準化されたデータベースを介して連携:表記や形式の違いによる「まちまち」問題を解消できる
言い換えると、PathosLogosは「連携の通り道」であり、これまで統合管理が難しかった健康管理データなども蓄積できるだけでなく、人的資本経営に向けてデータ活用も促進されるような副次効果も期待できるという。
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:株式会社パトスロゴス
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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