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HR×Data Forum レポート

三井物産が“レガシー人事システムの刷新”に踏み出せた理由

組織の壁を越えた「人事×IT」協創の軌跡

 多岐にわたるセンシティブ情報を取り扱い、経営の意思決定と直結している人事システム。「レガシーな人事システムを刷新して、人事業務の改善やデータ活用に踏み出したい」と願いながらも、なかなか前に進まないと苦悩している企業も多いのではないか。5月27日に開催された「HR×Data Forum」では、三井物産株式会社 人事総務第一部 次世代人事データプラットフォーム推進室 室長 清水英明氏と、同社 デジタル総合戦略部 コーポレートDX第二室 兼 人事総務第一部 次世代人事データプラットフォーム推進室 祝拓也氏が登壇。「三井物産の人事総務部門 x デジタル部門による挑戦と創造の追体験 ―人・システム・組織の壁を超えた協創―」と題し、人事とITそれぞれの視点から、プロジェクトのリアルな軌跡を語った。

約10年間で何度も頓挫した人事システム刷新

 16の事業本部とコーポレート部門があり、地域ごとに事業を横断してまとめているマトリックス組織の三井物産。今回紹介するのは、世界62ヵ国・地域、124拠点に広がる7940名(三井物産単体および三井物産現地法人)の従業員を対象としたグローバルタレントマネジメントシステムの刷新にまつわるプロジェクトの軌跡である。

清水 英明氏

清水 英明(しみず ひであき)氏

三井物産株式会社 人事総務第一部 次世代人事データプラットフォーム推進室 室長

2007年三井物産入社。食品原料部にてチョコレート・乳製品原料の輸入営業、海外関係会社管理を担当。2012年、アジア・大洋州本部戦略企画室へ異動、シンガポールへ駐在。同本部の戦略立案・事業投資支援等を担当。2015年、食品原料部にて乳製品原料の輸入営業立て直し。海外関係会社の増資引き受け等を担当。2017年から人事総務部門にてデータ活用やコミュニケーション戦略等を駆使した採用変革に取り組んだのち、2019年に次世代人事総務システムプロジェクトを立ち上げ、22年4月より現職。

 同社の人事では、約30年にわたって自社開発の人員データベースを利用してきた。まさに典型的なレガシーシステムである。これまでの間、課題感がなかったわけではない。だが、2008年以来、幾度となく刷新プロジェクトが動き出しては頓挫することを繰り返し、実行は先延ばしにされてきた。

[画像クリックで拡大表示]

 そして2019年8月。採用を担当していた清水氏に声がかかった。

 「正直なところ、自分がこのシステムをどうにかしなければという課題感は、声がかかるまではありませんでした。しかし、過去に何度も延期されてきた経緯があると知り、『もう二度とプロジェクトの火を途中で消さないぞ!』『これを三井物産の人事変革の契機にしたい!』という気持ちが湧き上がり、覚悟を決めたのです」(清水氏)

 そう熱く燃えた清水氏が上司と共に声をかけたのが、デジタル総合戦略部の祝氏だった。祝氏は当時の心情を「『これまで何度も頓挫してきたのは知っているし、過去の経験則からも人事系のシステムは嫌な匂いしかしないんだよな……』と内心で思いつつも、『こうなったら、ここでもうやり切るしかない!』と気持ちを切り替えて臨みました」と振り返った。

祝 拓也氏

祝 拓也(ほうり たくや)氏

三井物産株式会社 デジタル総合戦略部 コーポレートDX第二室 兼 人事総務第一部 次世代人事データプラットフォーム推進室

システムインテグレーターよりセキュリティ専門企業に出向し、セキュリティコンサルティングを担当の後、2015年三井物産デジタル部門に参画。 当社グループのシステムインフラの構築やグローバルセキュリティ体制企画・構築などに携わった後、2019年より人事総務部にて新社屋での新しい働き方検討、2021年4月1日より現職でグローバルタレントマネジメントシステム導入や人事給与システム刷新を担当。

「人事システムは人事部門のもの」 固定観念から抜け出すために分科会を発足

 そもそも、同社の刷新プロジェクトはなぜ何度も失敗を重ねてしまったのだろうか。

 清水氏が挙げた理由の1つは、「人事のシステムは人事部門のものであり、たとえデジタル部門であっても他部署に触らせるなんてもってのほか! 大切な個人情報を預かっているのだから、しっかり人事内でシステムを守らないとダメだ!」という固定概念に縛られていたことだ。

 加えて、7940名の従業員のうち、約5500名は日本にいる。グローバルに拠点があるとはいえ、大多数を占めている日本を第一に考える思考から抜け出せず、グローバル展開を前提とした議論が進まなかった。

 これらが過去の失敗の要因だと考えた清水氏は、デジタル総合戦略部・人事総務部門・経営企画部という3つの部署のメンバーに参画を促し、タレントマネジメント分科会を発足することに。人事総務部門からは自分以外の主要メンバーにも参加してほしいと働きかけた。

 この分科会では、三井物産の課題を深掘りし、他社の事例を研究したうえで、三井物産ならではの戦略や取り組みを具体化していった。「グローバル人事戦略・人材管理で実現したいことは?」「2030年までの人事戦略・人材管理ロードマップは?」といったアジェンダについて議論を重ね、完成した成果物を経営会議の諮問委員会で説明し、方針の承認を得た。

 こうしてグローバルを対象とした次世代のタレントマネジメントシステム「Bloom」の構築に踏み出せたのだ。

次のページ
なぜ過去に構築した人事システムは使われなかったのか

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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