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EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

成果を生み出すためのSalesforce運用

ビジネスオペレーション(BizOps)で戦略を実現する— DXの“消化不良”を越えて、変化に適応する組織へ

第6回

 本連載では、生成AIのような技術革新や、それに追随する形でベンダーが提供する強化版パッケージ・ツールが次々と提供されるなかで、企業のDXがなぜ「消化不良」に終わるのかを問いかけてきました。Salesforce導入の失敗構造の解説から始まり、一貫して示してきたのは、優れた技術やツールに精通するだけでは企業変革は成し遂げられないという現実です。課題の本質は、戦略と実行の間に横たわる「構造的なギャップ」にあります。連載最終回となる本稿では、そのギャップを埋め、DXやAI時代の成長を支えるこれからの経営機能としてのBizOps(ビジネスオペレーション)という活動・役割をご紹介します。

 過去5回の連載記事はこちらからご覧ください。

DXプロジェクトにおける「うまくいかない感」の正体

 経営会議やプロジェクトの現場で、どれほど計画をレビューし、十分に思われる体制や予算を揃えても、胸のどこかに残る「このままではうまくいかないのでは」という疑念。これは多くの企業で共通する感覚です。疑念の正体について考えます。

 以下の図は、営業改革のためのDXの取り組みをツリー図にしたものです。方針・KPI・体制・業務オペレーション・ITシステム・構築運用プロセスまでの要素を網羅しています。

(筆者作成) [画像クリックで拡大]

 計画時点での静的な断面では、左側の川上(戦略)を自社、右側の川下(実装)をベンダーで固めるなど、トップダウンのレイヤー構造で分担しても成立するようにみえます。

 しかし、VUCAの時代と呼ばれて久しいように、外部環境だけでなく自社の目標や事業の輪郭自体が連続的に変化します。にもかかわらず「設計 → 実行」を分業し、プロジェクトごとにリセットしていると、2巡目・3巡目の回転が遅くなり、ベンダーや人材が入れ替わるたびに文脈や過去のプロジェクト知見が失われていきます。

 「私は優秀なコンサルタントです。戦略と業務分析・設計は十分にやったから、あとはよろしく」という体制や「私は腕の立つSalesforceエンジニアです。開発すべき要件を頂けたらシステムを用意します」という体制が一時的にプロジェクトを成立させたとしても、1度カットオーバーしてしまうと、その後の中長期に向けた取り組みは成立しません。

 プロジェクトマネジメントの上位の概念となる、「プログラムマネジメント」という分野がありますが、これを明示的に担うような役割が存在せずにプロジェクトが発足するケースが多いように思います。成果を挙げているケースというのは、目的から目を逸らさずに粘り強く取り組み続ける、意思を持った人材がいる稀なケース(経営層やDX施策のリーダーなど)です。変革を推進する体制が暗黙的であるうちは「結局は人次第」から脱却できないでしょう。

 プロジェクトの最中から変化し続ける「市場環境・自社の業績・社内のリソース」など、実際の構造は本来「動的」なものです。そのため、事業上の目的・成果を満たすためには、1過性のITプロジェクト単体ではなく、定常的な取り組みやサブプロジェクトの連鎖によって、変化しつづける動的な構造へフィットさせる活動(=プログラムマネジメント)が必要です。

 多くの事業組織では、中長期のコンセプトやそのためのプロジェクトの連鎖を管理できておらず、トップ交代のたびに方針が右へ左へ振れ、採用や育成、営業方針が振り子のように揺れ続けてきました。システム開発も同様で、「ウォーターフォール vs アジャイル」といった二元論の往復が生産性を下げています。課題がでるたびにゼロリセットで新しいコンセプトに切り替えたり、その時点での静的な断面だけでプロジェクトを捉えていたりする限り、予期せぬ失敗のリスクは下がりません。

 「システムを内製化するか?しないか?」という問いばかりが、注目を浴びてしまいがちですが、刻々と変化するあるべき姿や現状について、データや事実をもとにを動的にとらえ続けるような、経営戦略と現場実務を横断的に管理する仕組みやチームが必要です。

次のページ
BizOpsは動的な戦略・実行管理の経営機能

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この記事の著者

佐伯 葉介(サエキヨウスケ)

株式会社ユークリッド代表。SCSK、フレクト、セールスフォース・ジャパンを経て、2019年にリゾルバを創業。2023年にミガロホールディングス(東証プライム)へ売却。著書『成果を生み出すためのSalesforce運用ガイド』(技術評論社)。一般社団法人BizOps協会エキスパート。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/22775 2025/10/09 09:00

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