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「ただの情シス」脱却へ NRI ITリーダーが示す、社内外共創をかなえるデジタルワークプレイスの未来

導入したSaaSを“真の意味”で使いこなしてもらうためのアプローチ

「導入したSaaSを使ってもらえない」問題に対するNRIのアプローチ

 NRIは、共創ワークスペースで活用するサービスの一つとしてBoxを導入している。まだ村田氏がBoxをよく知らなかった2016年ごろ、アメリカで開催されたBox主催のイベントに参加したことが興味を持つきっかけになったという。

 当時、村田氏は社内のファイルサーバーをどうするか思案中だったため、Boxの発想も含めて参考になったと話す。「コンテンツやファイルは一度コピーされたら、もうその先は何をされるか分からない世界です。コピーされないようにするためにはどうすべきか、コピーされてしまったらどうすべきかという問いに対して、どれが原本か分かるような管理を提唱するなど、単に現在箱に入っているデータを守るだけではないというBoxの考え方に影響を受けました」と述べる。

 ただし、どんなに村田氏が良さを実感したとしても、社内メンバーへ新しいサービスを浸透させることは一筋縄ではいかない。「もし製品が優れているのであれば、じわじわと利用率が上がっていくことでしょう。しかし本当にみんなに活用してもらうためには、何か一工夫必要だと考えました」と話す。

 そこで共創ワークスペースの施策において、IT戦略部にエバンジェリストチームを結成した。このチームは新しいITサービスの構築や運用保守ではなく、そのサービスの便利な使い方を他部署に紹介したり、意義をアピールしたり、良い使い方を探したりするなど、活用促進のための活動を行う部隊だ。

 村田氏は「社内では様々なSaaSを使っていますが、正直使いこなせていないものもあります。一つのSaaSに機能が100あったとしたら、20~30くらいしか使えていないような状況も少なくありません。そのため、エバンジェリストチームをはじめとするITサービスのスペシャリストのような役割がカギになると考えています。他の業務と兼務しているとなかなか本腰を入れて取り組めないので専任にしています」と話す。エバンジェリストチームは2025年4月から運用しており、今後効果も図っていきたいと期待を込める。

 村田氏はよく部下に「仕事は決して社内で売上が立つものではなく、お客様やユーザーがいて売上が立つもの」だと伝えているという。「共創ワークスペースを社員のためだけの環境にしてはならない。いかに枠を広げて、関係者が使える環境にできるかはすごく意識しています」と力説する。

「ギスギスしてきたら不満を言いあう」 チームの士気を上げる工夫

 ここまで見てきた共創ワークスペースに限らず、村田氏はこれまで数々のプロジェクトマネージャーを経験している。プロジェクトのメンバーは、最初こそ「みんなで頑張ろう」と意気揚々としていても、時間が経つにつれてお互いに不満や批判を言い合うようになり、プロジェクトが破滅しかけてしまうようなケースもあるという。そのようなときはどうすべきか。

 村田氏は「そういうときこそ逆に意見を言える状態を作るべきだと思います。よそよそしいままプロジェクトが進んでいくと、どこかで必ず悪影響が生じてしまう。自分の意見を言い切ることができて、かつ相手の意見も聞けると、折衷案を考えられるようになります。そうすると最終ゴールは相手も自分も同じであると自然と気づくことができて、ぶれなくなるのです」と話す。

 またプロジェクトの進め方で意識していることについて、「経営層の意見をそのまま部下に伝えない」ことを挙げる。経営層の意見が絶対的に従わなければいけないものになってしまうと、プロジェクトの方向性が逸れてしまうこともある。「自分で言い換えるなど工夫しています」という。

 最後に今後の展望を尋ねたところ、村田氏は以下のように述べた。

 「IT戦略部が抱える業務は情報システム部に近いものの、IT戦略部と『戦略』が付くことに意味があると思っています。今後はより会社の経営戦略に影響を与え、その取り組みをけん引する存在となれるように部門を変えていきたいです」(村田氏)

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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