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タケダが内製のデジタル人材育成に挑戦──半年間、育成プロジェクト“のみ”に専念させた施策の裏側とは

伝統的な大企業にありがちな「組織の壁」を打ち破る、アジャイルな組織文化実現の道筋

6ヵ月間みっちり研修、離脱者0で完走できた施策の裏側

 DD&Tアカデミーは、選抜された約30名の社員が6ヵ月間、完全に元の業務から離れて研修に専念するという異例のプログラム設計がなされている。この期間、彼らは基礎講座でデジタル人材としての網羅的な知識を習得し、その後応用講座で各職種に求められる専門性を深めていきながら、OJTも交えて実践的な知見を学んでいった。

 トレーニングは「カスタマーエクスペリエンス(CX)」「テクノロジー」「データマネジメント」「AI技術」の4つのカテゴリーに分けられている。なかでも「顧客を知り尽くしたMRの知識と経験が最も役立つ」と判断されたCXのカテゴリーに、多くの人材が配属されたそうだ。

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 また、アカデミーでは参加者のデジタル知識・技術の習得度を客観的に判断すべく、目標レベルを明確に設定している。基礎的な概念や知識を理解できている「101」レベルから、幅広い業務領域で活用できる専門知識やスキルを習得できている「301」レベルまでの講座を用意し、参加者に現状と目標を適宜伝えながら進めていったとのことだ。

 「講座は、“専門性と即戦力を身に付けてもらう”ことを目的として、本人の知識と経験のギャップの差に応じた形式に設計していきました。たとえば、知識と経験のギャップが大きいうちは社内の専門家による講義の受講やセルフトレーニングを重点的に行い、ギャップが小さくなってきたらシャドーイングなどをOJT形式で学ぶといった方法をとりました」(打川氏)

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 加えて、この施策の大きな特徴として、マインド面のサポートにも重点を置いた点が挙げられる。研修中に「本当にプロフェッショナルとして独り立ちできるのか」といった不安の声が上がったことを受け、運営側は頻繁にコミュニケーションの機会を設け、メンタリングを通じて学習の進捗と目標を共有し続けた。「その結果、ひとりも脱落することなく全員がDD&Tアカデミーを卒業できた」と打川氏は成果を語る。

 一方で、同社はリスキリングを実施するにあたり、組織全体のアジャイル変革にも着手していた。せっかくデジタル人材を育成しても、その人材が力を発揮できる環境が整っていなければ意味はない。人材が既存の組織風土に埋没しないよう、組織風土そのものを変革する方向に舵を切ったのだ。

 伝統的な大企業にありがちな「完璧主義」「階層型の組織文化」「重厚なプロセス」といった壁を乗り越えるため、同社は対話型のアプローチで変革を推進。トップの意識改革を進めながら、社員の「やりたい」という原動力を引き出すボトムアップ型の思考の重要性なども伝え、社内の各部門が変革の仲間であるという“ワンチーム”の風土を作り上げていった。

 なお、この変革を主導したのは、外部から採用したアジャイルコーチと、生え抜きの元MR社員だった。アジャイルコーチが論理的な変革プロセスを設計し、社内の文化や心理を熟知した元社員が従業員の心に訴えかけるチェンジマネジメントを担う。この“ハイブリッドな推進体制”が、トップダウンとボトムアップの両面から組織を動かす原動力となり、アジャイルなマインドセットを社内の共通言語として浸透させることに成功した。

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卒業生たちが活躍、さっそく定量的な成果が出始める

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奥谷 笑子(編集部)(オクヤ エコ)

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