SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

  • Security Online
  • DB Online
  • ニュース
  • 新着記事一覧
  • イベント

    コスト高にならない「Oracle Database」クラウド移行の方策ー35年の知見からOCIと最新PaaSを徹底解説! powered by EnterpriseZine
    2025年10月17日(金) オンライン開催

    Data Tech 2025
    2025年11月7日(金)オンライン開催

    • Next エンタープライズAI

      Next エンタープライズAI

    • SaaS ERP最前線──適者生存の市場を勝ち抜く企業はどこに

      SaaS ERP最前線──適者生存の市場を勝ち抜く企業はどこに

    • IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

      IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

    • 酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

      酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

  • ブログ

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

コスト高にならない「Oracle Database」クラウド移行の方策ー35年の知見からOCIと最新PaaSを徹底解説! powered by EnterpriseZine

2025年10月17日(金) オンライン開催

Data Tech 2025

2025年11月7日(金)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

DB Press

カメラアクセサリー3,000点の需要予測を自動化したニコン:R&D部門が先導した柔軟な開発の舞台裏

Databricksで刷新したシステム開発プロセス。高精度な需要予測をいかにして実現したのか

R&D部門が運用まで? アジャイルな開発・運用の軌跡

 この需要予測を担うデータ基盤に用いられているのがDatabricksである。ニコンでは、2019年ごろから社内のデータ活用基盤としてDatabricksを活用している。導入の背景について西野氏は「社内にはSQLでデータベース管理をしているチームもあれば、Pythonでアルゴリズム開発を行うチームも存在しているため、どちらもカバーできる基盤が求められていました。Databricksがそのニーズに上手くはまったことがきっかけです」と話す。

 需要予測システムを社内で展開するフェーズで、Databricksの強みは発揮される。西野氏は「他部署に需要予測システムを使ってもらうところにも、Databricksを活用できることに気が付いたのです」と振り返る。これまではR&D部門が開発したモデルを実用化するにあたっては、ウォーターフォール型に則った情報システム部門との連携が不可欠だったが、Databricksを用いることでプロトタイプ開発から実証までを自部門で完結でき、よりアジャイルな開発・運用を実現できたのだ。

 通常、R&D部門は開発したものを運用に乗せるところまで携わることは少ない。西野氏は「社内でも開発の先は“できないもの”だとして一線を引かれることが多いのですが、今回の取り組みでは運用までを我々の部門で進めることができました。しかも、そんなに難しいことではないということも分かりました。これはとても意味のある経験だったと感じています」と語る。

 この需要予測システムは2024年4月ごろから検証が進められ、およそ1年かけてDatabricksの機能追加とテストが行われてきたという。2025年4月からは部分的な機能テストを行い、8月から全面稼働を開始している。

サプライチェーン全体を最適化するデータプラットフォームへ

 Databricksの活用効果について西野氏は「チーム内のコミュニケーション向上」を挙げる。「Databricksを使うと、同じ開発プロジェクトにいるメンバーが書いたコードをすべて共有できるため、他の人が何をやっているのかが分かるようになりました。コードという知識を共用できるようになったことは教育の面でもプラスに働いています」と語る。また運用のフェーズでは、実際のユーザーに開発者と同じワークスペースに入ってもらうことで、コミュニケーションが取りやすくなったとし、「Databricks Unity Catalog機能を使えば、権限管理も簡単に行えて便利です」と欧陽氏は述べる。

 需要予測システムは運用フェーズを迎えているが、今後より使いやすいシステムにするための改善も進めているところだと両氏は話す。現在は、MLflow機能を利用してアクセサリー品目の需要予測を行うモデルのパフォーマンスをモニタリングしている。MLflowを用いて取得したログを見ると、計算の速度が十分ではないことも少なくないとして、「今後色々な方法を試して改善していきたいと思っています」と欧陽氏は述べる。

 より先の将来を見据えたときには、サプライチェーン全体をデジタル化・自動化する計画も検討していきたいと西野氏は語る。需要予測の精度が向上すれば、それが在庫管理の最適化につながり、ひいては生産計画の効率化、物流コストの削減へと波及していくだろう。この一連のプロセスを統合し、サプライチェーンの各段階で発生する膨大なデータを一元管理・分析することができれば、より効率的な事業運営が実現すると考えられる。

 「せっかく一つのデータベースに色々なデータをあげるのなら、データ同士をつないでいけば、より研究開発がしやすい環境が整うのではないかと考えています。ゆくゆくはそういった未来を実現していきたいですね」(西野氏)

この記事は参考になりましたか?


広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/22714 2025/09/29 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング