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ソフトクリエイトが状況認識AI「メニナルAI」を発表 中堅製造業の技術継承ニーズに応える

 ソフトクリエイトは2月3日、中堅製造業の現場課題に特化した新サービス「メニナルAI」を発表した。同社は、深刻化する人手不足や熟練工の技術継承という製造業の構造的課題に対し、従来の画像認識の枠組みを超えて時間軸で作業工程を判別する「状況認識AI」という新たなアプローチを提示。保有する特許技術を核に、PoCの壁に阻まれてきた中堅企業のAI実装を加速させるという。

 上席執行役員 企画統括部 統括部長の鈴木大智氏は、同社のAI事業が2023年の本格始動から2年で150社を超える導入実績を上げ、23件の特許出願を行うなど、急速な成長を遂げていることを説明した。同社が製造業向けに実施した調査では、AIを実際に製品導入し、積極的に活用できている企業はわずか6.1%に留まっており、リテラシーやコスト、セキュリティが導入の障壁となっている実態が浮き彫りになったという。鈴木氏は「現場の目になることで日本の製造現場を変えていきたい」と述べ、技術継承の課題に直結するソリューションとしてメニナルAIを発表した。

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株式会社ソフトクリエイト 上席執行役員 企画統括部 統括部長 鈴木大智氏

 注目すべきは、メニナルAIの「タグベースの状況認識」という独自の技術体系だ。従来のAIが特定の物体を検知する点に主眼を置くのに対し、メニナルAIは一連の動作を時間軸に沿った工程として識別する。事業推進本部 製品開発部 部長の畠山覚氏は、生成AI単体では困難だった複雑な現場判断を、静止画の時間拡張と前後関係の推論によって解決したと説明。具体的には、作業工程をタグ化して学習させることで、カメラの死角や一時的な遮へいがあっても「現在の動作がどの工程に該当するか」をAIが自律的に補正・判断する仕組みを確立しているという。

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 新たな成長領域として、同社は機密保持が重視される製造現場のニーズに応え、現場内のエッジデバイスで処理を完結させる運用を実現した。メニナルAIは小型ローカル生成AIと従来型アルゴリズムを組み合わせたハイブリッド方式を採用しており、クラウドへデータを送信せず現場内で判断を下すため、秘匿性の高い生産ラインでも安心して導入できる点が特徴だ。検品現場での実証実験では、金属の反射により困難だった部品の嵌合(かんごう)状態の検品において、99.9%という高い不良検出精度を達成した実績も紹介された。

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 畠山氏は、従来のAI導入モデルが抱えるコストと精度の摩擦を指摘する。数千万円規模の見積もりや複雑なデータセット準備が導入を阻んできた現状に対し、メニナルAIは「数枚の静止画からでも状況を認識できる軽量な設計」により、低コストな導入を可能にしているという。今後は視覚情報のメニナルAIに加え、音の周波数を解析して機器の異常を検知する「ミミニナルAI」の展開も予定している。

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株式会社ソフトクリエイト 事業推進本部 製品開発部 部長 畠山覚氏

 ソフトクリエイトの今後の展開として、メニナルAIは状況認識に加えて安全な次の行動を提案する「予測・見守AI」へと発展し、手順書の自動生成など現場判断を高度化させていく。さらに、機器制御を担う「ウデニナルAI」なども拡充し、現場に溶け込む「○○ニナルAIシリーズ」として進化させる計画だ。畠山氏は「フィジカルAI時代に必須の状況認識基盤となりたい」と展望を語った。

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この記事の著者

小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)

EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。

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