イトーキは、全社4,000名で「AIを経営の中核に据える“AI経営”」への転換に挑戦中だ。その中核となるOffice3.0の新ソリューション「ITOKI OFFICE AI AGENTS」を開発し、年内より順次提供開始予定であると発表した。
同サービスは3つのAIソリューションで構成され、顧客企業が自ら高度なオフィス投資判断と働き方のハイサイクル化を実行できる仕組みを構築するとのことだ。
オフィスは「作ったら終わり」ではなく「作ってからが本番」の運用面が強化されており、継続的に最適化する経営資源へと位置づけが変化しているという。その結果、オフィス投資にも明確な費用対効果が求められているとのことだ。
一方で、オフィスや経営に関する活用すべきデータは急増し、分析は高度化・複雑化している。イトーキのデータ活用以前と比較すると、データ量は1.7万倍、複雑さは最大2.7億倍程度になっているとのことだ。人手に依存した意思決定では到底スピードは追いつかず、投資対効果の最大化が困難になるという新たな課題が顕在化していると述べている。
ITOKI OFFICE AI AGENTS
160社超に対するデータドリブンなオフィス構築・運用の支援実績と、年間約3万枚におよぶ設計データや各種オフィスデータ、長年蓄積してきたオフィスデザイン・ファシリティマネジメントの知見を基盤に、AIと人の知恵を融合した新たなソリューションとして開発したという。同ソリューションは、3つのAIソリューションを提供するとのことだ。
1. Facility Portfolio AI(ファシリティポートフォリオAI)
最適な面積・席数・配置・コスト構造を算出し、拠点再編をシミュレーションするAIエージェント。Wi-Fiデータや会議システム、スケジュール情報などを統合し、たとえば100拠点規模に及ぶ複数拠点の利用実態を立体的に分析するという。拠点の集約・分散や再編の選択肢を具体的な数値とともに提示することで、ファシリティ戦略の検討に要していた時間を短縮し、経営判断の迅速化を支援するとのことだ。

2. Workplace Insight AI(ワークプレイスインサイトAI)
図面、写真、アンケート、経営方針資料などの非構造データを含む多様な情報を一括で解析し、オフィスの課題や改善ポイントを構造的に抽出するという。また、類似事例との比較や、改善による効果予測、ROI試算までを自動で行い、経営層や総務部門にとって実効性の高い判断材料を提供するとしている。

3. Space Matching AI(スペースマッチングAI)
在席情報や行動傾向、利用履歴をもとに、実際に空いているスペースをリアルタイムで判定し、利用者に即時案内するという。利用されていない予約は自動的に解放され、需要に応じて再配分される仕組みにより、会議室や席の不足によるストレスを軽減し、空間の稼働率向上を実現するとのことだ。物理空間とデジタルデータを連動させた点が大きな特徴だとしている。

同AIソリューション群は、課題に応じて個別導入も可能とのこと。経営層は投資対効果を数値で即時判断でき、総務部門は複雑な分析負荷を削減できるという。従業員は快適で無駄のない働き方を実現でき、顧客自らがデータに基づく高度なハイサイクル運用が実行可能になると述べている。
加えて、開発段階から実証を重視し、これまで30件を超えるPoC(概念実証)を経て構築されているという。自社で検証を行い、得られた知見を顧客サービスに反映。その成果を再び顧客支援に活用する循環モデルを構築しているとのことだ。
【関連記事】
・イトーキ、日本オラクルと「AI予知保全システム」開発 SAS-Rの保守システムとして来年初頭に発売へ
・イトーキ、基幹システムをオラクルのクラウドERP/SCMに移行完了──約3年で“DX基盤”を確立
・イトーキと松尾研究所、AIによる生産性の可視化に挑む マルチモーダルデータを活用した研究で協業
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- この記事の著者
-
EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
