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データマネジメントが「名前のない仕事」から試験新設されるまで──経済産業省、IPA、リクルート、KDDI、MUFGが語る

「JDMCカンファレンス2026」 パネルディスカッション

 IPA(情報処理推進機構)が2027年度に「データマネジメント試験(仮称)」創設を進めている。推進に大きく関わっているのが、JDMC(日本データマネジメント・コンソーシアム)だ。2026年3月11日に開催されたJDMC主催カンファレンスでは「データマネジメント人材活躍への道」をテーマにパネルディスカッションが行われた。前半では経済産業省の渡辺琢也氏が試験新設の制度的背景を説明。後半はリクルートの阿部直之氏、KDDIの木村塁氏、三菱UFJ銀行の藤咲雄司氏(モデレーター)、そしてIPAの内田了司氏が加わり、AI時代におけるデータマネジメント人材の意義とキャリアの可能性を議論した。

経済産業省:情報処理技術者試験にデータマネジメントを追加

経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 渡辺琢也氏

 冒頭で登壇した経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長の渡辺琢也氏は、日本のAI法が「規制法」ではなく「推進法」として設計された点を改めて強調した。政府が掲げる方向性は、AIの開発と利活用を同時に進めながら、権利侵害リスクには継続的な情報収集と助言で対応するというものだ。

 渡辺氏は、インターネット上の公開データだけでは今後のAI進化に限界が見えつつあるという認識を強調した。次の競争力は、企業・組織内に蓄積された非公開データを、現場知見と結びつけて学習可能な形へ整備できるかで決まる。同氏は「AI-Ready化」を政策の中核に位置づけ、GENIACでの支援メニューを通じて、計算資源やデータ整備、組織横断データ連携への支援を進めていると説明した。

 そのうえで、人材面の制度整備として示されたのがデジタルスキル標準(DSS)の改定だ。既存類型に「データマネジメント」を追加し、事業知見を踏まえた安全性・信頼性確保、活用設計、価値創造を担う役割を明確化する。加えて、情報処理技術者試験に「データマネジメント試験区分」を新設し、2027年度開始を目指す準備が進んでいるという。

 続いてリクルート、KDDI、三菱UFJ銀行の3社がそれぞれの取り組みを報告した。リクルートは事業戦略から逆算した人材配置と育成サイクルの設計、KDDIは非中央集権型の推進体制が生んだデータスチュワード不足という現実、三菱UFJ銀行はDSSを起点とした社内基準の拡張と評価制度との接続を示し、人材の「定義」「育成」「評価」を同時に動かす必要性を共通の課題として浮かび上がらせた。

 この3社の問題意識を土台に、IPAの内田了司氏を加えた4者によるパネルディスカッションへと場が移った。モデレーターは三菱UFJ銀行の藤咲雄司氏が務めた。

(左より)株式会社三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 副部長 藤咲雄司氏/独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 上席執行役員 内田了司氏/株式会社リクルート プロダクト開発データ推進室 Vice President 阿部直之氏/KDDI株式会社 経営戦略本部 Data&AIセンター センター長 木村塁氏

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試験新設への道──生成AIが問い直した人材育成の前提と標準化の苦労

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