PagerDutyは「単なるインシデント管理」ではない、AIとソフトウェア溢れる今こそ攻勢のチャンスか?
ジェニファー・テハダ氏らが日本のITユーザーたちにメッセージ
AIの「異常を見分ける技術」がこれから真価を発揮する
──企業の中では、AIエージェント同士が連携して業務を自動で完了するプロセスが実装されつつあります。そうなると、毎日AIエージェント同士のインタラクション(相互作用)が大量に発生しますよね。これを一つひとつ監視し、異常を発見して事故が起こる前に対策を打つというのは、既に可能なのでしょうか。
テハダ氏:これは、まさにPagerDutyが得意とする技術です。どの相互作用や依存関係が重大なインシデントにつながりそうか、あるいは特段気にしなくてもよさそうか。リスクのない相互作用までアラートを出すようでは、かえってノイズになってしまいますよね。我々の製品は、これを見分ける能力に長けているのです。
先ほども申し上げたとおり、PagerDutyは「行動するためのプラットフォーム」です。ですから、最善の行動を阻害するようなノイズになる機能はありません。クリアなシグナル、明確な一連の指示と作業へのフィルタリングにより、ユーザーにとって最もレジリエントな運用を実現します。このアーキテクチャは、我が社の“秘伝のタレ”です。AIエージェント間で起こる振る舞いや、社内のAIエージェントのデプロイ、AIモデルの管理、従業員が利用するAIアプリケーションの管理には非常に役立つはずです。
──AIの台頭によるIT環境の複雑化は、PagerDutyにとっては追い風になりそうですね。
テハダ氏:そうですね。システムが複雑になるほどPagerDutyにとっては追い風です。従来のシステムも複雑で不完全なものでしたが、そこにまた複雑で不完全なAIという要素が加わるのですから、新たな脆弱性が増えるのは当然ですよね。クラウドが普及したときもそうでしたが、古いテクノロジーと新しいテクノロジーが連携する際には、攻めと守りのバランスにギャップが生じやすいです。
また、世の中のデジタルサービスも、いずれはほとんどがAI基盤の上に構築されるようになる可能性が高いです。つまり、AIに異常が生じれば、すべてのサービスもおかしくなってしまうというわけです。だからこそ、AIの信頼性を担保する機能やソリューションで優位性を確立することが重要なのです。
──それこそデベロッパーの世界では、既にAIコーディングが浸透していますよね。日本でも当たり前のように使われています。DevOpsやSREの概念が上陸したときには、これほどのスピードでは広がっていかなかったのですが……。
テハダ氏:だからこそ、AIは日本にとってリープフロッグなのです。それに、私が今回の日本滞在でお話しした大企業の中には、DevOpsやNoOpsをネイティブに実装している企業もいらっしゃいました。本当に、かつての日本とは見違えるほどのスピードで変革が進んでいると感じます。
そして皆さん、AIの導入を受けて単に人手を減らすという発想に至るのではなく、自社の製品やサービスをAIでどう変革しようか、改善しようかと考えていることが本当に素晴らしいです。欧米では、AIに対し抵抗感を抱いている従業員も少なくないですが、日本ではAIとの協働に対する意欲がより強く感じられます。
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、国内外の最新技術やルールメイキング動向を取材しているほか、DX推進や、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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