PagerDutyは「単なるインシデント管理」ではない、AIとソフトウェア溢れる今こそ攻勢のチャンスか?
ジェニファー・テハダ氏らが日本のITユーザーたちにメッセージ
日本はこの1年で変わった、欧米にも見劣りしない
──つまり日本は、AI時代の到来で分野によってはテクノロジーの遅れをかなり取り戻しつつあると、ある意味では言えるかもしれないということですね。ちなみに、欧米ではどんな様子ですか。
テハダ氏:米国を例に挙げると、たとえばサンフランシスコのようなエンジニアが特異的に多い地域の一部では、さらに一歩進んだAIとの付き合い方をしているかもしれません。しかし、ボストンやナッシュビルのような地域に行けば、東京と似たような光景が見られます。直感的なインターフェースで使える生成AIだからこその浸透スピードですね。これまでのテクノロジーほど使いこなすのが難しくなく、それゆえに恐怖心や抵抗感もそれほど生まれないのでしょう。
ただ、繰り返しになりますが、日本の今の様子はもっとポジティブに捉えてよいと思います。今回訪問したある企業では、CEOが自らAIを使い、身をもって従業員に活用を促していました。また、PagerDuty on Tour Tokyo 2026に合わせて開催した「PagerDuty Challenge Cup」では、参加者たちは架空のインシデント対応を競技形式でこなしたのですが、日本の優勝チームだってサンフランシスコで見たどのチームにも劣らない実力でした。ですから、日本のユーザーと欧米のユーザーに何か隔たりがあるとも私は思いません。
山根伸行氏(日本法人社長):日本企業がこの1年で大きく変化しているのは、私としても強く感じています。いくつかの大企業では、既にAIを実際の運用オペレーションに組み込んで、協働体制を構築しつつあります。
ジョーンズ氏:私も2年連続で日本を訪れていますが、今年の日本ユーザーの進化は驚くべきレベルです。昨年とは雲泥の差だと思います。対話をしていても、非常にクリエイティブなアイデアや示唆が多く出てきます。
グルダタ氏:誰でもAIで望むものを構築できるようになった今、クリエイティブな思考、そして点と点をつなげて考える能力こそが、人間が求められているスキルです。
誰でもソフトウェアを作れる時代だからこそ、PagerDutyが活きるとき
──たしかに、誰でもソフトウェアをAIで構築できる時代になりました。世の中のソフトウェアの数も指数関数的に増えていきそうですね。
テハダ氏:PagerDutyは、ソフトウェアが溢れても効果的にスケールできる能力を皆さんに提供できます。そして我々は、データエンジニアリング、自動化ワークフロー、AIエージェントのテストなど、裏で膨大な試行と開発、努力を重ねています。新たな競合が相次いで参入している分野ですが、その多くはパブリックなLLMや単一的・平面的次元のデータに依存しています。対してPagerDutyは、イベント、ワークフロー、人間の相互作用、インシデント履歴、依存関係グラフ、人的グラフなど、多次元のデータモデルを有しています。
また、MicrosoftやCrowdStrike、Amazon Web Services(AWS)などといったパブリックサービスで障害が発生した際には、多くの競合他社製品が止まってしまった中でもPagerDutyは稼働していました。
グルダタ氏:“SaaS is Dead”が囁かれ、便利なソフトウェアを構築するハードルは明らかに下がっていますが、大規模で大量の本番システムを、極めて高いレジリエンスで運用することのハードルはものすごく上がりました。ですから、PagerDutyの強みが今こそ活きると思います。
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、国内外の最新技術やルールメイキング動向を取材しているほか、DX推進や、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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