【Snowflakeコミュニティリーダー実践知】データ基盤IaC化とCursor活用で脱属人化!
GA technologies:AIエージェント時代を見据えた基盤構築と組織変革の道のり
Snowflakeエコシステムをけん引するコミュニティリーダーを選出する「Snowflake Data Superheroes(以下、Data Superheroes)」。2026年にData Superheroesに選出された筆者が所属するGA technologiesでは、Snowflakeを中心としたデータ開発基盤の構築と合わせて、AIエージェント時代を見据えたデータ組織への変革を進めています。本稿では、GA technologiesが実践するデータ基盤革新の全貌を公開。ベンダーフリーな基盤の構築方法や、Cursorを活用したコード記述/IaC化の手法、さらにSnowflake内で完結する全社VoC分析基盤の構築まで、AI時代を勝ち抜くデータ組織のリアルな裏側を解説します。
Snowflakeの米年次イベントで感じたAI活用のトレンド
近年、テクノロジーカンファレンスなどを通じて技術動向に接するなかで、「AI前提の時代」の本格的な到来を強く感じるようになりました。特にデータプラットフォームの進化は目覚ましく、最近のイベントでもAIに関する数多くの新機能やビジョンが打ち出されています。たとえば、2026年6月にサンフランシスコで開催された『Snowflake Summit 26』では、Keynoteの最後に印象的な言葉が掲げられていました。
"Snowflake takes you from the era of 'can we?' to the era of 'shall we?"(Snowflakeはあなたを「できるだろうか?」の時代から「何をしようか?」の時代へ導く)
これは、企業のAI活用が「AIの可能性を検証するフェーズ」を越え、「ビジネスのどこにAIを組み込むかを具体的に考えるフェーズ」に入ったことを示唆しています。
AIエージェントが登場する前のAI活用においては、自然言語で問い合わせ、分析に必要なデータを抽出するといった“人間の分析業務を補助するツール”としての位置付けが主流でした。しかしAIエージェントが自律的に判断し、処理を実行する「機能のメインプレイヤー」としてデータ基盤上で稼働する世界へと変化しようとしています。
こうした変化が起きるなか、データエンジニアリングの観点から特に画期的な変化として、データが存在する場所の近くで、セキュリティとガバナンスが担保された状態で安全にAIエージェントを動かせるようになったことが挙げられます。
従来のAI活用では、データを一度外部サービスへ切り出して処理せざるを得ないケースが多く、セキュリティの懸念や動作プロセスのブラックボックス化が導入のボトルネックとなっていました。しかし、プラットフォーム内部で完結する安全なAI環境が整ったことで、ガバナンスを効かせながら業務へAIを組み込むことが可能になってきています。
今後、業務におけるAIエージェントの活用は想像以上のスピードで日常化していくでしょう。この“AI前提の時代”において、企業はどのようなデータ基盤と組織を備えておくべきなのでしょうか。
各グループ会社に閉じたデータをどう循環させるか
私が所属するGA technologiesのデータチームでは現在、未来のAIフル活用を見据えながら、データを安全かつ自由に活用するための「AI-Ready」なデータ基盤構築と組織変革を進めています。当社グループの事業は、賃貸/売買/海外不動産/リノベーションなど、不動産ビジネスのあらゆる領域にまたがっており、それにともなう膨大なデータが存在します。本来、こうしたグループ構造は競争力の源泉になりえるものです。
当社のAI不動産投資「RENOSY」は、テクノロジーを活用し、顧客に安心/簡単/最適な資産形成サービスを提供することを目指しています。顧客にとって最適な提案をするためには、単一のサービス内にデータを閉じ込めるのではなく、グループ全体のデータを横断的に活用することが不可欠。グループ全体におけるデータの相互活用を実現することで、例えばコンパクトマンションでは条件が合わなかった顧客には、海外不動産など別の選択肢を提案するなど、相互送客を行うことができます。
さらに、賃貸管理や売買など、別の領域にまたがるデータを連携させることで、より俯瞰的で正確な事業判断が可能になります。これらを実現することで、顧客満足度を高めながらグループ間でシナジーを生み出し、事業の成長をさらに推し進めていけるのです。
しかし現実には、データがそれぞれのグループ会社や部署においてサイロ化しており、グループ間のシナジーを十分に生かせていない状況にありました。この課題を解消し、データを事業の成長に繋げることこそが、私たちデータチームに突きつけられた大きなテーマでした。
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是枝 達也(コレエダ タツヤ)
名古屋大学大学院生命農学研究科修了。複数社でデータを活用したプロダクト開発や基盤構築・運用に従事した後、2025年、株式会社GA technologies入社。AI不動産投資「RENOSY」をはじめとする事業で、Snowflake を中核としたデータ分析基盤の設計・構築・運用において高度な専門性を発...
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