【Snowflakeコミュニティリーダー実践知】データ基盤IaC化とCursor活用で脱属人化!
GA technologies:AIエージェント時代を見据えた基盤構築と組織変革の道のり
IaC初心者でもコード記述工数を10分の1にできたワケ
しかし、既に稼働している大規模な基盤のIaC化は非常にハードルが高い作業といえます。GUIから作成された既存のリソースをTerraformで定義しなおし、stateファイルにコードを取り込む膨大な作業が発生するためです。また、基盤のIaC化そのものは売上や利益を生まないため、ビジネス側との丁寧な合意形成が必要でした。
この既存リソースのimport工数という課題において大きな突破口となったのが、AIの活用です。私たちはコードの書き起こしを「Cursor」などのAIエージェントを活用することで効率化しました。
具体的には、既存のインフラ設定情報を抽出し、それをAIに読み込ませてコードを生成。AIがうまくコード化できないリソースについては、Terraform Providerの公式ドキュメントの該当ページをAIに読み込ませて精度を上げるなど、対話的に作業を進めました。
このようにAIアシスタントを用いることで作業コストは大幅に下がり、Terraform初学者でも従来の10分の1の時間でコードを記述できるようになりました。この劇的な生産性向上は、直接売上を生まないプロジェクトにおいて、ビジネスサイドの理解を得る材料になりました。
AI時代を生き抜くデータ組織とは
AIの進化により、これからの時代、データエンジニアに求められる役割は大きく変わっていくことが予想されます。データを抽出するだけでなく、「AIをいかにビジネスに組み込み、直接的な価値を生み出せるか」を、データの領域から主導していく役割が求められるようになります。
それを実現するために私たちが今やらなければならないのは、会社が保有するAIを十分に、そして安全に活用できるようにするための土台作り。本稿で紹介したように、データを特定の場所に閉じ込めず、いつでもアクセス可能な状態にしておくこと(Icebergの活用)や、データ管理の属人化を防ぎ、ガバナンスの効いた開発プロセスを組むこと(IaC化)などは、AI-Readyな環境づくりの一環といえます。
特に、将来的にAIエージェントが自律的にリソースを生成/変更する時代において、IaC化の価値はいっそう増します。GUI操作のままでは、AIがどのようなリソースを生成/変更したのかを後から人間が確認して追跡するのは非常に困難だからです。インフラがコード化されていれば、HCL(HashiCorp Configuration Language)という共通言語を介して、AIと人によるコードレビューが可能になり、さらなるガバナンス向上を実現できます。
このような取り組みは、短期的にはビジネス上のメリットをもたらすものではないように見えますが、来たるAI時代において持続可能なアドバンテージをもたらします。
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是枝 達也(コレエダ タツヤ)
名古屋大学大学院生命農学研究科修了。複数社でデータを活用したプロダクト開発や基盤構築・運用に従事した後、2025年、株式会社GA technologies入社。AI不動産投資「RENOSY」をはじめとする事業で、Snowflake を中核としたデータ分析基盤の設計・構築・運用において高度な専門性を発...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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