【Snowflakeコミュニティリーダー実践知】データ基盤IaC化とCursor活用で脱属人化!
GA technologies:AIエージェント時代を見据えた基盤構築と組織変革の道のり
データ連携から可視化までガバナンスが利くアーキテクチャ設計
では、当社が目指すデータ基盤とAI活用とは、具体的にどのようなものでしょうか。ここで、実際に社内で進めている「全社横断の顧客の声(VoC)分析基盤」の取り組みを紹介します。この取り組みで目指しているのは、これまで各所に散在していた「顧客の声」を、全社で活用できる「資産」へと変えることです。
当社では日々、メールや電話、オンライン/対面での面談、チャットなど、多様なチャネルでユーザー企業と膨大なコミュニケーションを重ねています。しかし、そこから得られた“顧客の声”のデータは各所に散在しており、量が多く人手での傾向把握も難しいため、UXやプロダクトの改善に十分に活かせていませんでした。
こうした課題に対し、私たちはSnowflakeをハブとして、データ連携から分析/可視化までを一気通貫でプラットフォーム内に閉じ込めるアーキテクチャを構築しました。
具体的には、Snowflakeに搭載されたLLM機能「Cortex AI」(AI_COMPLETE)を用いて、面談の文字起こしといった非構造テキストを数行のSQLだけで構造化されたVoCデータ(整理された顧客の声データ)へと変換します。さらに、文章の意味を数値に置き換える「Embedding(ベクトル化)」と、その意味の近さを計算する「コサイン類似度」を組み合わせることで、「意味の近い声」を横断的に検索することも可能になりました。分析用のアプリケーションも、インフラ構築なしにSnowflake上で完結する「Streamlit in Snowflake」で内製し、Snowflakeのロール(ユーザーごとの閲覧権限)でそのままアクセス制御を効かせています。
ここで重要なのは、データもAIによる処理も、すべてSnowflakeというガバナンスの効いた基盤の内側で完結している点です。顧客のセンシティブな声を外部サービスへ切り出すことなく、権限管理された環境の中でAIに解釈/要約/検索させる。これこそが、本稿で述べてきたAI-Readyなデータ基盤の具体的な姿です。

こうして整えた基盤は、すでに社内の幅広い部署で活用が広がっています。PdMは課題の大きさを測る定量指標の一つとして、マーケティングは仮説をVoCデータで検証する手段として活用し、さらには社内のすべてのメンバーが顧客の声に向き合う「CUSTOMER FOCUS」の文化醸成・意識改革にも繋がりはじめています。
私たちが目指すのは、このように特定の部署や用途に閉じることのない、全社横断でAIを安全に活用できるデータ基盤です。そしてそれを活用するデータ組織として、完璧なデータや完成された仕組みができるのを待つのではなく、小さく作って現場と対話しながら改善を重ねることで、AI時代に価値を生み出しつづける存在でありたいと考えています。
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是枝 達也(コレエダ タツヤ)
名古屋大学大学院生命農学研究科修了。複数社でデータを活用したプロダクト開発や基盤構築・運用に従事した後、2025年、株式会社GA technologies入社。AI不動産投資「RENOSY」をはじめとする事業で、Snowflake を中核としたデータ分析基盤の設計・構築・運用において高度な専門性を発...
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