過去にはオープンソース陣営と敵対することもあったマイクロソフト。しかしそれは「昔のことだ」と、日本マイクロソフトでWindows Azureのエバンジェリストを務める砂金信一郎氏と佐藤直生氏は声をそろえる。「Developers Summit 2012」(デブサミ2012)に登壇した両氏は、様々なオープン技術に対応するWindows Azureの最新動向を紹介した。
まず砂金氏は、Windows AzureがクラウドサービスとしてはGoogleやAmazon Web Servicesの後発となるものの、すでに世界で6カ所のデータセンターを運営し、日本でも富士通と共同でパブリッククラウドサービスを提供している点をアピール。他社のサービスとの違いについては、「AzureはPaaSであり、開発者のために管理を自動化する様々な仕組みを用意している。インフラ担当者からすると深いところがいじれなくてもどかしいかもしれないが、Azureはインフラの面倒を気にすることなく開発者が気ままに使えるのが特徴だ」(砂金氏)と説明した。

すでにAzure上で稼働しているアプリケーションとして砂金氏は、電通レイザーフィッシュが提供するFacebookページ運用統合管理ツール「sociobridge」を挙げた。同ツールは「低コスト」であることを前提に開発されたもので、「Facebook用のCMSは数多く存在するが、低コストで運用しなければビジネス的に元が取れない。sociobridgeはマルチテナント型なので、顧客数が増えてもそれぞれの顧客用のインスタンスは作っておらず、だからこそ低コスト運用が可能となった」と砂金氏は話す。
また、ミクシィのクリスマスソーシャルキャンペーン「mixi Xmas 2011」もAzure上で稼働した例だ。「mixi」にてつながる友人のページを訪問し、ページ上のベルを鳴らすことでポイントがたまりプレゼントが手に入るという仕組みで、約250万人がユーザー登録し、約150万人のアクティブユーザーが日々mixiを訪問、約1億8000万回のベルが鳴らされたという。

この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
藤本 京子(フジモト キョウコ)
フリーランスライター。米国の大学院で言語学修士号を取得したのち、米出版社や東京都内の英文雑誌出版社、オンラインメディア企業などで記者として勤務。独立した今は、ITやWebビジネスを中心に執筆と翻訳を手がける。IT以外の得意分野は英語ネタとオフィス(主に社食)ネタ。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア