ここ最近、DB Onlineでも何度か取り上げているInfiniDB。この新しいデータベースを提供しているのは、米国ダラスに本社を置くCalpont社。先日行われたインサイトテクノロジー主催のイベント「db tech showcase」に参加するために、同社のリージョナル・ディレクターであるマーク・ダン氏が来日、DB Onlineで話を伺う機会を得た。Calpont社は、6年半ほど前まではハードウェア・アプライアンス製品を提供しその関連ソリューションを展開する会社だったとのこと。そこから、「ハードウェアでやるよりも、やりたいことのほとんどがソフトウェアで実現できる」と判断、ソフトウェアに特化した会社に転換する。そしていまでは、InfiniDBを中心にソフトウェアビジネスを展開しているという、ちょっと変わった会社だ。
OLTPやKey-Valueは得意じゃないけどアドホック分析なら任せろ

Calpont社のビジネスの中核に据えられているInfiniDBは、カラムナー型アーキテクチャを持つ分析用途に特化したデータベースだ。大規模、あるいはハイパフォーマンスを要求される領域に向いている。2010年2月にバージョン1の提供が始まり、現在のバージョンは3まで更新されている。「いわゆるアドホック分析に向いているアーキテクチャです。なので、OLTPやKey-Value型が得意とするような処理には向いていません」とダン氏。
得意でないところを明確に示してみせるところは、なんだか潔さすら感じる。もちろん、ビッグデータ分析はInfiniDBの主要なターゲット。とはいえ、Key-Value型でのデータハンドリングはできないので、Key-Value型データを扱いたければHadoopと連携させて利用する。このHadoopとのコネクティビティを持っていることも、InfiniDBの特長の1つだという。
利用形態としては、旧来のデータウェアハウスのセントラルデータベースのように、Hadoopを含むさまざまなデータソースからETLツールなどを用いInfiniDBにデータを統合し分析を行う形がとれる。また、特定のデータソースのデータをInfiniDBに取り込んでそれをAnalytic Data Storeとし、BIツールなどを使ってアドホック分析を行うという使い方も可能だ。
市場に出てからまだ2年ほどの時間しか経過していないが、すでに海外では多くの実績があるとのこと。とくにオンラインメディア、通信、小売り、Eコマースといった業種の企業が多いとか。技術的には前出のようにリアルタイムなアドホック分析だが、その際にはサマリーデータではなくより粒度の細かい明細データを対象に処理できるのがもっとも大きな特長。なので、利用者はシステムアーキテクトやデータサイエンティスト、ビジネスアナリストなどが多い。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア