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「日本のデータベーススペシャリストは最終的にどこを目指すべきか?」―アシスト 関俊洋氏

2018/11/12 06:00

 この仕事は数年後になくなる―そんなフレーズをよく耳にするようになりました。ある統計によると約90%のエンジニアが10年後自分の技術は役に立たないと答えたといいます。これはDBエンジニアも例外ではないでしょう。では実際はどうなのでしょうか。本記事では、翔泳社主催『DB Online Day2018』にて行われたアシスト・関俊洋さんの基調講演の様子を3回に分けてお届けします。約200名のDBエンジニアを抱えるアシストでDBに携わってきた関氏。今現場で求められているスキルやキャリアパスの事例を紹介しつつ、年収や勤務実態など大量のスパイスを加えてリアルなDBエンジニア像を解説します。

「人はいません、ただしIT予算は増え続けています」という現状

 アシスト 関俊洋氏
 アシスト 関俊洋氏

 DBエンジニア、実は厳密な定義がありません。DBエンジニアと名乗るために資格がいるわけではない。今日はDBに今、携わってらっしゃる方を、一旦DBエンジニアと呼ばせていただきます。「ちょこっと触ってます」「ちょこっとテキストで勉強してます」……そういう方でいいと思います。そういうお仕事に携わってらっしゃる方でDBを扱っている方が、今後どういう形で歩んでいくことになるのか、そういったところもお話したいと思います。

 ちなみにアシストはベンダーなので一番右側ですね。このDBエンジニアについて、3つの観点から考えていきたいと思っています。1つは市場環境です。直接仕事には関係ないかもしれないですけど、我々、日本、それからIT市場がどういう形で動いていくのかっていうのが1つ。2つ目、技術的なトレンドです。ちょっと年表お見せした時に申し上げましたけれども、たとえばクラウドとかですね、IoT、AI、機械学習とか、そういったトレンドで、どうDBエンジニアの役割が変わっていくのかどうかっていうお話。それから最後はちょっとだけ、生々しいお話として、収入、それから働き方がどう変わっていくのかという話。この3つの基点でお話をしていきたいと思います。

 まず1つ目、市場環境でDBエンジニアをちょっと考えてみましょう。まずものすごく大きな話ですけれども、日本の人口ピラミッドです。

 いろんな会社がデータで提供してますけども、国勢調査を基に、データをプロットしていくと、みなさんよくお聞きになられてる通り、高齢化が進んでいって、労働人口ってのはどんどんどんどん減っていきます。1つの数字として2030年、つまり今から12年後には、人口の約1/3が65歳以上になるというふうな予測がされています。

 ITに携わる人がどうなるかって言うと、こういった形になっています。

 これは、労働人口の中でもITに携わる方、たとえば情報システム部門の方々とかユーザー部門でもちょっとITに携わってますよっていう方をすべて含んでいます。IT人材に関しては、2018年の時点ですでに18万人、17万人ですね、17万人が不足しているというふうに言われています。ちっちゃい丸が書いてありますね。今年の時点で、2018年の時点で、17万人が足りてませんっていうふうに言われています。ただ、ちょっとこのグラフには罠があって。2018年より前が書いてないですけど、実は労働人口の不足っていうのは、20年くらい前からずっと起きている問題なんですね。ことITに関して切り出してみると、こういう形で、どんどん不足が拡大していきますというシナリオが予測されています。全部で3つのレベルで予測されていて、一番、楽観視した場合でも、40万人以上が、2030年の時点で足りなくなりますよという予測が立っています。

 足りないっていうのはなんとなくわかったと。じゃあ、足りないと何が起こるか。たとえば人材の争奪戦。いろんな会社さんが優秀な人材を確保しに動くので、人材の流出とか争奪戦っていうものが起こっていくというふうな予想があります。足りない分をどういうふうに確保しようかっていうことで、たとえば運用の自動化とかですね、AIとかですね、そういったところへの注力が光を浴びていくという予想もあります。

 とにかく、人がいないのはわかりました、と。じゃあITって人がいないから市場的に縮小していくんでしょうかっていうと、それとは真逆なことが起きています。これはITの予算額がどういうふうに。ここ数年で変化していくかっていうのを見たものです。

 今年の予想としては、IT予算が増えますよと答えている企業さんが3割を超えています。この調査をした企業の3割を超える会社さんが、IT予算を増やしますというふうな回答をしています。時系列の変化を見ていただくとわかるんですけど、これは年々、回答としては予算を増やすという傾向が多く出ています。2015年、だいたい2割くらいの会社さんが予算を増やすって話でしたけども、2018年には3割に増えています。これは2008年のリーマンショックを受けて、IT投資が一気に縮小した時から比べると、一番最大の伸びを示しています。おそらくこれが向こう何年か続くんじゃないかっていう予測が出ている。

 つまり、「人はいません、ただしIT予算は増え続けています」という、ちょっと真逆の現象が起きているんですね。当然この中には、たとえばデジタライゼーションをしていこうというような、いわゆる「攻めのIT投資」をしていくために使われる予算もあると思いますし、現状のシステムを維持していくとかですね、いろんな予算を全て含んでいますが、とにかく、IT予算は増え続けてます、それでも人はいませんというふうな状況が市場のデータを見るとわかります。

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