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「わたしたち、Azureで災害対策しました」(前編)

edited by DB Online   2014/05/13 15:00

 クラウドを活用する際には、さまざまな形がある。注目されている1つが、災害対策での利用だろう。今回は、実際に顧客の基幹システムの災害対策をMicrosoft Azureを使って構成した事例について、実際にそのSI部分を担当したシステム コンサルタントのエンジニアの方々に話を聞いた。こういった構成を取る際の、リアルな課題などについて紹介する。また、Azure上でさまざなシステムを動かしていく際にどういうポイントに注意して構成設計すればいいのか。さらには、今後のAzureへの期待についても話を聞いた。

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災害対策だけをAzureに

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左から、システム コンサルタント/足利氏、真田氏、DBオンライン/谷川耕一、日本マイクロソフト/鈴木氏、北川氏

 谷川:今回はAzureに関する座談会の3回目です。これまでAzure(IaaS)でデータベースを用いるときの実際の苦労などをおうかがいしてきました。今回は最後なので現実的な話だけではなく、Azureに期待することも含めて忌憚なく話していただけたらと思います。

 北川:僕は、5月1日からAzure担当も兼任していますので、どうぞ!

 谷川:はい、後ほどよろしくお願いします。まずはシステムコンサルタントの真田さん、どういう経緯でどのようにAzureを活用したのか、概要を教えていただけますか?

 真田:お客様の基幹システムがVB6、SQL Server 2000で構成されていました。それをWindows 2012 Server、SQL Server 2012に移行して、災害対策としてAzureも使うことにしました。ポイントはデータベースをSQL Server 2000からSQL Server 2012にアップグレードしてAlwaysOn構成とした事です。AlwaysOnは地上に2台、あと1台はAzureでスタンバイです。

 谷川:基幹システムのバージョンアップが先でしたか?それとも災害対策だからAlwaysOn?Azureの導入も最初から構想にありましたか?

 真田:お客様はすでに小規模なPaaSの仕組みも導入されており、前々からシステム担当者さんから「Azureをどこかで使いたい」という要望をうかがっていました。そこで「今回の災害対策をAzureでやりましょう」という話に。特に災害対策についてはお客様の上層部から「昨年中に」と指示があったそうです。決まったはいつごろだったかな……。

 足利:当初はAzureを使うか、データセンターかで迷っていた気がします。ちょうど1年前くらいでしょうね。

 谷川:データセンターとは自社ではなく、プロバイダーですか?SQL 2000から2012への移行はどういう手順を踏むのでしょうか?

 真田:段階的に行います。2000から2008、次に2008から2012。2008から2012はあまり問題が起きることはありません。2000から2005や2008の場合は不具合が出る可能性もあります。例えばデータベースの整合性チェックには時間がかかりました。これはデータベースだけではなくてアプリ側の問題もあります。2000サーバーだと2バイト文字が切れて登録されても、それを省いて表示してしまいます。しかし2012だとそのまま表示されてしまい、もともとのデータが壊れていたのに「データ移行が成功していないのでは?」とお客様から指摘されてしまったり。

 谷川:苦難を乗り越えて2008に、それをチェックやリプレースして2012にあげる。その段階では、特に問題はありませんでしたか?

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DBオンライン チーフキュレーター
谷川耕一

 真田:特になかったですね。

 谷川:2012にあげるときはオンプレでやるんですか?

 真田:そうですね、オンプレでやっています。

 谷川:いったんオンプレで構築してからAzureなんですね。ただ全てのデータをAzureにアップする必要はないのでAlwaysOnで使う分だけですよね。

 真田:そうです。AlwaysOnはオンプレに2台、Azureに1台という構成です

 谷川:災害対策だけをAzureに持っていくときに事前に不安や懸念事項はありましたか?

 真田:プライマリが壊れたときに、ちゃんと応答してくれるかとかはありました。今後東日本と西日本でデータセンターができるので、そういう不安はなくなるような気がしています。

 足利:お客様のほうはAzureのレイテンシーを気にされていました。実施の際にはまだ日本のデータセンターが発表される前でした。本来は「プライマリもAzureに」という話もありましたが、ムリだろうということでオンプレにして、災害対策だけをAzureで使うシナリオに落ち着きました。お客様は「どのくらいの帯域でどのくらいの遅延があるか」など性能を気にされていましたね。

 谷川:その点は事前に机上で検証するのですか?

 真田:パフォーマンスは事前に社内で検証しました。結果として「少し遅いかな」という評価でした。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジ...

  • 加山 恵美(カヤマ エミ)

    EnterpriseZine/Security Online キュレーター フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online&nbs...

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