総出荷台数は前年同期比3.5%増の261万台
2017年第3四半期(7月~9月)の国内トラディショナルPC出荷台数は、法人市場が前年同期比2.4%増の165万台、家庭市場は同比5.5%増の96万台、両市場合わせて同比3.5%増の261万台となった。その結果、トラディショナルPC市場は5四半期連続で前年同期比増を達成することになった。
法人市場は、成長ペースが緩やかになっているものの、6四半期連続で前年同期比増を達成し、拡大が順調に続いている。Windows XPサポート終了(2014年4月)前後に購入されたPCの買い替えが始まっていること、Windows 7のサポート終了を見据えWindows 10への移行が動き出していることなどが法人市場のプラス成長を支えているとみている。家庭市場はアップルが牽引し、3四半期連続で高成長を見せている。
出荷台数上位5社の動向
出荷台数上位5社の中では、NECレノボグループのトラディショナルPC市場全体におけるシェアが1年ぶりに25%台に戻った。アップルはトラディショナルPC全体市場の上位5社には入らないが、家庭市場において堅調で、シェアは2位で14.2%に達している。
・NEC レノボグループ:法人市場では前年同期比1.4%増、家庭市場は同比13.6%増で、家庭市場の復調が目立った。全体では同比5.5%増となり、久しぶりに市場平均成長率を上回った。
・富士通:法人市場で同比8.0%減、家庭市場では同比11.2%減となり、全体では同比8.8%減だった。富士通は、法人市場、家庭市場ともに昨年同期の出荷数の伸びが高く、今年はその反動でマイナス成長となった。
・日本HP:法人市場で同比7.7%増、家庭市場は同比1.8%増、全体で同比7.0%増だった。日本HPは7四半期連続で法人市場、家庭市場とも前年同期比増を記録しており、市場シェアではデルと接戦を繰り広げている。
・デル:法人市場は同比8.3%増、家庭市場では同比0.9%増で、全体では同比6.0%増となった。デルは2015年第4四半期から家庭市場で急速な伸びを示していたが、今期は一段落した。
・東芝:法人市場で同比0.3%増、家庭市場では同比16.1%減となり、全体では同比6.8%減となった。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は「先日、NECレノボ グループと富士通の戦略的パートナーシップが発表された。法人市場と家庭市場それぞれにおいて、レノボ、富士通、NECの3ブランドがいかに棲み分け、パートナーとして互いの成長を刺激し合うのか。迎え撃つ競合はどのように対抗するのか。特に、Windows 7のサポート終了が予定されている2020年に向けた法人市場では、パートナーと競合が相まみえて熾烈な戦いを繰り広げることになる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内PC市場 2017年第3四半期の分析と2017年~2021年の予測」にその詳細が報告されている。