2016年~2021年の年間平均成長率は 0.2%、2021年は3,084億1,700万円へ
これによると、2017年の上半期の実績を反映した結果、2017年の国内エンタープライズストレージシステム市場規模は2,988億2,800万円と予測している。2017年は、官公庁/自治体における支出減などにより、前年比成長率がマイナス2.3%で、2016年に続きマイナス成長になるとみている。
また、2021年の国内エンタープライズストレージシステム市場規模は3,084億1,700万円で、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.2%になると予測している。
2021年において、支出額が300億円を超える主要な産業分野は、支出額が多い順に金融、製造、情報サービス、通信/メディア、官公庁/自治体の5分野だった。これは2016年と比べ、情報サービスにおける支出増と官公庁/自治体における支出の抑制のため、それぞれの順位が入れ替わっている。
情報サービスでは支出が増加するも、外付型からサーバー内蔵型へのシフトが加速
情報サービスにおける支出増は、他の産業分野におけるストレージ需要がクラウドサービスへより一層シフトすることで発生している。クラウドサービス事業者は主に情報サービスに属すため、クラウドサービスへのシフトにより、情報サービスにおける支出が増加し、他の産業分野の支出が抑制される。なお、支出が増加する情報サービスにおいても、規模の経済を追求するため外付型からODM Directやサーバー内蔵型へのシフトが進むと考えられる。
そのため、ストレージベンダーはユーザーに対してクラウドへのシフトを前提とした提案が求められる。IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤慎也氏は「クラウドへのシフトのインパクトを勘案して予測を下方修正したストレージ市場では、ストレージベンダー自身のデジタルトランスフォーメーションが求められている。ストレージベンダーは自社のビジネスの将来像を示し、その方針を製品や支出モデルの多様化へ反映していくことで、産業分野ごとに異なるデータマネジメントの需要を、着実に自社のビジネスに繋げていくことができる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内エンタープライズストレージシステム市場 産業分野別予測アップデート、2017年~2021年」にその詳細が報告されている。