国内SMS送信サービス市場の2016年度の売上金額は27.8億円、前年度比56.2%増と急速な伸びとなった。2011年7月より異なる携帯キャリア間でのメッセージの送受信が可能となったことを機に、SMS送信サービスは携帯電話番号を利用したショートメッセージサービスとして市場が立ち上がった。
二要素認証、リマインダー、販売促進などの利用用途が拡大し、市場は急成長している。今後、企業が顧客に直接メッセージを送信する手段としてニーズが高まりつつあることから、同市場のCAGR(2016~2021年度)は21.0%の高い伸びを予想している。
ITRのシニア・アナリストである三浦竜樹氏は、「SMS送信が注目されている最大の背景は、PCや携帯キャリアのメールアドレスの変更による未達、およびLINEなどのメッセージングサービスの台頭によるメール開封率の低下やメール離れにあるといえるでしょう。こうした中、携帯電話番号だけで送信できるSMS送信サービスは、パスワード再発行や個人情報や決済情報の変更などの二要素認証において、迅速かつ到着率が高いことから利用が拡大しています。また、緊急性や重要度の高いリマインダーや督促、セール情報などの販売促進用途においても利用する企業が増えています。今後、SMS送信サービスの需要はさらに拡大することが予測されますが、海外ではRCS(Rich Communication Services)の導入が進みつつあることから、その動向が注目されます」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行した市場調査レポート「ITR Market View:ECサイト構築/決済代行/CMS/SMS送信市場2018」に詳細を掲載している。レポートには、ECサイト構築市場、決済代行サービス市場、CMS市場、SMS送信サービス市場の全4市場を対象に、国内43ベンダーへの調査に基づいた2015~2016年度売上げ実績および2021年度までの売上げ予測を掲載している。