2017年通年の支出額は1,729億8,000万円で前年比5.5%減
2017年第4四半期の国内エンタープライズストレージシステム支出額は427億8,000万円、前年同期比0.7%増だった。2017年通年では1,729億8,000万円で前年比5.5%減となった。
2017年第4四半期の外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見ると、メインフレーム向けが42億5,900万円で前年同期比11.1%減、オープンシステム向けが385億2,200万円で同2.2%増となった。メインフレーム向けは、5四半期連続のマイナス成長となった。オープンシステム向けは、ハイエンドが支出額を牽引した。
2017年通年での外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳は、メインフレーム向けが218億2,700万円で前年比10.4%減、オープンシステム向けが1,511億5,300万円で同4.7%減となった。メインフレーム向けでは、新規需要を取り込めず、容量や性能への要求も高まらないことから、支出額が前年に続きマイナス成長となった。また、オープンシステム向けは、通年ではハイエンドが大幅なプラス成長であったものの、ミッドレンジ、ローエンドがいずれも2桁のマイナス成長になったことが影響した。
2017年のベンダー別売上額では、日立、富士通、Dell、IBM、NetAppの順
2017年の国内外付型エンタープライズストレージシステムでは、前年に続きHDDからフラッシュへと搭載メディアの移行が進んだ。同年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額の中で、オールフラッシュアレイ(AFA)は318億3,800万円で前年比88.9%増となったが、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は553億3,700万円で同11.6%減、オールHDDアレイは858億500万円で同17.2%減となった。
この結果、2017年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額に占めるAFAの割合は前年の倍の18.4%となった。AFAの汎用ストレージによるビジネスが本格的に立ち上がった結果、ミッションクリティカルな基幹系での採用に加えて、待機系での採用も始まっている。
2017年通年での国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は1,645億8,600万円で、ベンダー別売上額の上位5社は日立製作所(シェア19.3%)、富士通(17.4%)、Dell Inc.(11.1%)、IBM(10.6%)、NetApp(8.8%)だった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤慎也氏は「オールフラッシュアレイは前年を上回る成長率となり、金融機関の基幹系へも採用されるようになった。一方、その国内支出額は未だ全体の2割に達しておらず、ユーザーが初期導入コストの上昇を懸念して導入が進まない領域もある。ストレージベンダーは、ユーザーニーズの細分化に対応した多様な支出モデルでの展開やデータマネジメントに取り組むことで、ユーザーのデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献し得る新たなテクノロジーの採用検討を適切に促し、シェアを獲得していくべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内エンタープライズストレージシステム市場 2017年第4四半期の分析」にその詳細が報告されている。