DaaS市場の2016年度の売上金額は113億円、前年度比31.7%増となった。市場を牽引する上位3ベンダーの伸びが市場規模の拡大の要因となっている。
政府が主導する働き方改革を推進する手段の1つとして、DaaSへの注目度が増しており、今後も導入の促進が期待できる。加えて、近年のスマートデバイスなどのクライアント環境およびその利用場所の多様化を背景に、より高いセキュリティや運用に関わる負荷の軽減を目的とした導入を検討する企業が増えている。
また、依然として古いバージョンのOSやブラウザでしか正常に稼働しないアプリケーションを多く保有する企業も少なくなく、それらの解決にDaaSの適合性は高いと考えられる。こうしたことから、同市場のCAGR(2016~2021年度)は23.5%と、2021年度には2016年度の約3倍の市場規模になると予測している。
ITRのシニア・アナリストである三浦竜樹氏は、「働き方改革を支えるソリューション/サービスとして、また、2020年のWindows 7の延長サポート終了を見据えてVDIやDaaSの導入が着実に進んでいる。加えて、これまでVDIを運用してきた大企業がDaaSにリプレースすることで、複雑化した仮想クライアント環境の運用管理を低減したいというニーズも増加しており、DaaS市場は順調に拡大すると予測しています」とコメントしている。
今回の発表について詳細は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:クラウド・コンピューティング市場2018」に掲載されている。レポートには、IaaS市場、PaaS市場、DaaS市場、エンタープライズSaaS市場(12分野)の国内全30ベンダーへの調査に基づいた2015~2016年度売上げ実績および2021年度までの売上げ予測が掲載されている。