SAP Fieldglassは、人財のシェアリングエコノミーを可能とするクラウドプラットフォームとして、企業にオンデマンドで専門スキルやサービスを供給する仕組み。SAPのERPの知見を活かし、企業と人財をマッチングする人財のシェアリングプラットフォームを提供する。Fieldglassは1999年に創業し、2014年にSAPが買収統合した。世界中で、グローバルで180カ国650社以上に導入されている。
SAP Fieldglassは主に以下の機能を提供する。
- 人財ポートフォリオを進化させるタレントプール
- 派遣法に対応した雇用契約管理と採用プロセス
- 業務委託契約(準委任- 請負)に対応したサービス調達管理
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人材の入社時支援(教育- 研修プロセス)/退社時支援(退職- 離職プロセス)
を自動化 - 36協定(深夜手当、休日手当などの算定ルール)に準じたタイムシート管理
- マシンラーニングによる予測型ダッシュボード「Live Insights」
「日本でのローンチに向けて1年間かけて下請法や労働法をはじめ、各国におけるコンプライアンスの準備をおこなった。年間4兆円のトランザクションをおこない、顧客継続率は99.6%で、SaaSとしては極めて高い数字を誇っている」(SAPジャパン 福田社長)
「従来の企業の採用は部門や担当者ごとにサイロ化していた。企業内で人財をシェアリングすることで、雇用者側も契約の満了後に他部門に継承したり、働く側もモチベーションを維持することが可能になる」(SAPジャパン 大澤毅氏)
SAP Fieldglassは、働き手のスキルやキャリアを登録するタレントプールでオペレーションの可視化や最適化をおこなう。また各種人材関連サービスとの連携をおこない情報の集約するとともに、人材サービス企業の提供サービスと組み合わせることも可能だという。
また「SAP Leonardo」のAI・機械学習とも連携させ、人財情報の可視化、レジュメマッチング、シミュレーション計画などもおこなう。
発表では、米国市場で、テレコム関連のスキルを有する人財をSAP Fieldglassで検索、マッチングするデモがおこなわれた。指定した通信関連スキルを有する人財を検索した場合、全米では時給46ドルで、採用までのリードタイムが26.9日、現在採用可能な人財が8名といった状況が表示され、カリフォルニア州に絞った場合、時給が62ドルと上昇するなどの情報がリアルタイムで把握できるという様子が例示された。
国内ではアビームコンサルティングが最初の導入となる。世界11カ国で事業展開するアビームがグローバル全体での人財シェアリングを目指し、導入を決定したという。