4分野全体でも2022年までのCAGRは29.5%の高成長率
IDCでは、第3のプラットフォームを構成する、クラウド向け、ビッグデータを含むビジネスアナリティクス(BA)向け、エンタープライズモビリティ向け、ソーシャルビジネス向けの4分野向けのITサービス支出額について2022年までの予測を行った。
調査の結果、同市場は単純積み上げ総額で、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)29.5%で、2022年には4兆2,580億円に達すると予測している。ただし、これらの4分野には例えば、クラウドを利用してアナリティクス基盤を構築する場合など、相互に重複する領域があるため、単純積み上げ額が支出総額にはならない点に注意が必要だ。
IDCでは予測期間の後半にかけて、国内企業のDXを支援するために第3のプラットフォーム向けサービスを提供する場合が多くなるとみており、この重複領域は大幅に増加するとみている。
第3のプラットフォーム向けITサービス市場基本的/不可欠な地位を確立へ
4分野の中でも、もっとも大きな影響を持つのがクラウド向けITサービス市場。同市場は2017年にはBA向けを抜き、4分野の中で最大の市場となった。しかし、その成長率は衰えず、2022年までのCAGR 40.8%の高成長を維持し、2022年には2兆8,204億円に達すると予測している。
国内BA向けITサービス市場は、予測期間の後半にかけて、DXへの取組みにおいて新たなデータ活用を進める案件が牽引し、成長率が上昇、2017年~2022年のCAGR 15.0%で拡大するとみている。 他の2分野についても、国内エンタープライズモビリティ向けITサービス市場は同期間のCAGR 20.6%、国内ソーシャルビジネス向けITサービス市場も、規模は小さいものの同期間のCAGR 30.2%と、高い成長率で拡大すると予測している。
国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場は、クラウド向けITサービスを中心として、支出額の絶対的規模の拡大にもかかわらず高成長率を維持し、2022年までに国内ITサービス市場における基本的/不可欠なサービスとしての地位を確立するとIDCでは予測している。
IDC Japan ITサービス シニアマーケットアナリストの植村卓弥氏は「第3のプラットフォーム向けITサービスにおいても、いわゆる『Lift & Shift』など第3のプラットフォームへの対応を支援するサービスと、第3のプラットフォームやIoT、AIといったイノベーションアクセラレーターを活用し、DXの実現を行うサービスとの間には顧客層や案件あたりの規模、必要とされる人材やスキルセット、収益の形態といったあらゆる面での相違があり、この事業転換には非連続的な変革が必要になる」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場予測、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。