技術的要因がクライアント仮想化市場拡大に寄与する
2018年は、第3のプラットフォームが実現するDXがすべての業界に影響を与えるとみており、クライアント仮想化技術はDXにおいて重要な役割を果たすと考えている。特にエンドポイントにおけるクライアント仮想化技術は、エンドユーザーの接点として重視されるべき領域で、「デジタルワークスペースの進化、深化、高度化」「ハイブリッドクラウドDesktop as a Service/エンタープライズクラウドDesktop as a Service」「VDI 高速クローン技術/動的アロケーション」など技術的要因がクライアント仮想化市場拡大に寄与するとIDCではみている。
このような市場拡大に伴い、2022年のクライアント仮想化利用ユーザー数は854万人、モバイル仮想化利用ユーザー数は1,053万まで拡大すると予測している。クライアント仮想化の産業分野別ユーザー数においては、2017年ではインターネット分離対策が進んだ「官庁/自治体/教育」のユーザー数が最も多く、2022年には168万人まで拡大、社数/従業員数の多い「製造」や、IT先進業種の「金融」のユーザー数も、それぞれ161万人、131万人まで拡大すると予測している。
一方、成長率の高い業種は「建設/土木」で、今後はBIM(Building Information Modeling )/CIM(Construction Information Modeling)のVDIへの実装が進むとIDCではみている。
オンプレミスに最も近い形態のプライベートDesktop as a Serviceが主流となる
2017年~2022年のCAGRが、25.2%と成長率の高いクライアント仮想化サービス(Desktop as a Service)では、プライベートクラウドDesktop as a Serviceに加え、エンタープライズクラウドDesktop as a Service、パブリッククラウドDesktop as a Service、ハイブリッドクラウドDesktop as a Serviceなど多様化が進む。
さらにクラウド(IaaS/PaaS)分野におけるマルチクラウドの進展に伴い、Desktop as a Serviceにおけるマルチクラウドの展開も期待される。オンプレミスに最も近い形態のプライベートDesktop as a Serviceが主流となるが、用途によってはエンタープライズクラウドDesktop as a Service、パブリッククラウドDesktop as a Service、ハイブリッドクラウドDesktop as a Serviceの需要も高まるとIDCではみている。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷寛氏は「2018年は、デジタルワークスペースがさらに革新し、多様な用途/業務での適用が高まるであろう。新技術を見極めながら自社環境に適合させることが求められている」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内クライアント仮想化市場予測、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。