2位以下はシェアポイント4~5%の間に7ベンダーがひしめき合う混戦状態
注目すべき点は、ルーター、イーサネットスイッチ、企業向け無線LANの製品セグメントにおいても、シスコシステムズが50%前後のシェアを有していることにある。企業向けルーター市場におけるヤマハや、同じく企業向けのイーサネットスイッチ市場におけるアライドテレシスといったように、領域ごとに強みを持つベンダーは存在しているが、総合力でシスコシステムズが大きく引き離している。それに対して2位以下は、シェアポイント4~5%のわずか1ポイントの間に、7ベンダーがひしめき合う混戦状態にある。
製品分野別に見ると、2017年に成長した市場の1つであるイーサネットスイッチ市場においては、首位のシスコシステムズ以外にもアリスタネットワークスやジュニパーネットワークスがシェアを伸ばした。また、国内企業向けルーター市場の中でも、最も市場規模が大きいSOHOルーター市場においては、ヤマハとNECが売上を大きく伸ばしシェアも増加した。ヤマハは、同市場におけるシェアが50%に迫り、2013年以降で最高のシェアを記録した。
混戦から抜け出すには成長性の高い無線LAN機器が重要
また、企業向け無線LAN機器市場も、2017年は大きな成長を達成した。市場の成長は、ほとんどの上位ベンダーに恩恵をもたらし軒並み二桁成長を実現した。圧倒的首位のシスコシステムズと混戦している2位以下のべンダーという国内ネットワーク機器市場の構図から抜け出すためには、成長性の高い無線LAN機器市場が重要であると考える。
IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーである草野賢一氏は、「無線が優位になる「ワイヤレスファースト」の時代に即した製品ラインナップ強化を進めるべきである。ネットワーク機器製品のポートフォリオを幅広く持つと共に、無線LAN機器に最も注力すべきである」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内ネットワーク機器市場シェア、2017年:鮮明化するワイヤレスファースト」にその詳細が報告されている。レポートでは、2017年の国内ネットワーク機器市場に関して、市場全体およびユーザーセグメント別ベンダーシェアに加えて、製品分野別のベンダーシェアとベンダー動向を分析している。