この製品は、Xeon Scalable Processor Silverを採用しており、検証や開発環境など、比較的軽めなワークロード環境に適しているという。HCIでありながらも、1台構成が取れる非常に導入しやすいモデルだという。
同時に、企業データをAmazon Web Service(AWS)にバックアップするソフトウェア「Cloud DVX」がAWS日本データセンターでの稼働をサポートしたことを発表した。これにより、ネットワーク遅延の少ないクラウド環境で災害対策サイトを運用することが可能となるという。
HCIの概念は、FacebookやGoogleなどの大規模なコンピューティング環境を推進するハイパースケールコンピューティングから発展し、エンタープライズでもその優位性を享受できるように考えられたインフラストラクチャーとして、ここ数年で急速に市場を拡大してきた。
サーバーがコモディティ化し、外部接続型の共有ストレージを必要としないHCIは、システムの規模を柔軟に拡張することができるため、初期投資を少なくして運用を開始できることが特徴の1つとなっている。しかし、企業の重要なデータを安全に保護するためは、複数台のサーバーにデータを分散して保存し、またそのデータを別途バックアップして長期保管する必要がある。そのため、最小構成で導入する際も、サーバーを複数台用意し、加えてバックアップのシステムも必要となる。
そのため、デイトリウムは従来のHCIの思想を活かしながらその先を見据え、システム処理とデータ保護を切り分ける仕組みを開発した。サーバーでは、高速なデータ処理を優先させるために、仮想化ソフトウェアであるハイパーバイザーに「DVX Software」をインストールすることで、サーバー筐体内に搭載したフラッシュデバイスに全てのデータをキャッシュさせる。
そして、サーバーとは別筐体の「DVX Data Node」に永続データを保存し、安全なデータの保存とバックアップをひとつのHCIシステムとしてビルトインさせている。このような仕組みにより、サーバーは1台でも稼働できるようになり、加えてバックアップを別途用意する必要がなくなる。
「Datrium DVX」は、高速なデータ処理を必要とする業務に適しており、そのため「DVX Compute Node」のモデルには、すべて高性能なIntelのXeon Scalable Processor Goldを採用していた。今回発表した「DVX Compute Node SYS-4」はXeon Scalable Processor Silverを採用し、検証や開発環境など、比較的軽めなワークロード環境に適した非常に導入しやすいエントリーモデルになるという。
また、「Datrium DVX」に災害対策を施すにあたり、コンピュートノードとして「DVX Compute Node SYS-4」を遠隔地サイトに採用することで、比較的安価に災害対策を実施することが可能になる。「Datrium DVX」では、データを遠隔地サイトにネットワーク転送するレプリケーション機能を標準で実装しており、データは圧縮と重複排除により削減され、ネットワーク効率の良い遠隔地データ複製を行うことができる。