これまでITシステムに対する要求は、ベンダーが情報システム部門にヒアリングするのが一般的だった。そのため、構築したシステムが現場部門の実態と乖離していたり、経営層の意志とのズレが生じたりするケースもあったという。
そのため、オージス総研はITの開発・運用・コンサルティングのノウハウと、行動観察・エスノグラフィを組み合わせたコンサルティング手法を開発。経営視点の要望、現場の実態やそのギャップの把握によってプロジェクトの方向性を明確にすることが可能になり、IT領域における超上流~開発・運用までをワンストップで提供できるようになったという。
コンサルティング手法のフロー
コンサルティング手法は次の3つのフェーズから構成される。この一連の流れを、クライアントとオージス総研との共創で進めていく。
- フェーズ1:経営視点の要望と現場部門とのギャップから改革への方向性を定義
- フェーズ2:業務実態から課題抽出と解決策を具体化
- フェーズ3:ITソリューションの開発・運用
特徴とメリット
1. 人にフォーカスする「行動観察」と、全体俯瞰の「業務改善コンサルティング」の融合
行動観察・エスノグラフィは人にフォーカスし、深い理解が得られることが特徴。言語化されにくい事実や暗黙知の可視化、様々なステークホルダーの本音を引き出すことなどに有効な手法。一方で、「業務改善コンサルティング」は業務を整理・フロー化することで、業務全体を俯瞰できるようになることが特徴となる。 これらの手法を融合させることで、業務‐人の双方の観点から事実を可視化でき、詳細の深い理解と全体把握の両立が可能となる。
■可視化される事実の例
・言語化されにくい事実・情報(無意識の行動・当たり前と思って見過ごされていること) ・現行システムの使用実態(設計意図とは異なる使われ方、認識の違い、運用で補完して いることなど) ・直接・間接的に業務に関連する行動、および行動の背景情報(作業環境・コミュニケーションなど) ・業務全体のフロー
■行動観察・エスノグラフィの実績
オージス総研では、2005年から国内に先駆けて行動観察・エスノグラフィをビジネス展開。商品・サービス開発、現場作業、組織の改革など様々な領域で1,300件を超える実績を重ねてきた。
■業務改善コンサルティングの実績
2005年から業務コストの削減や、高負荷プロセスの課題抽出、内部統制の対応など様々なテーマでコンサルティングを実施。
2. 新価値創造の方法論「Foresight Creation」の活用
一連のフローは、大阪ガス行動観察研究所が提唱する新価値創造の方法論「Foresight Creation」をベースにしている。事実に対して対処療法的に対応するのでなく、多様な事実を俯瞰し統合することで根底にある本質(課題・ニーズ・リスク)=「インサイト」を導出。インサイトをもとにIT領域における新たなソリューションを実現。