オープンシステム向けはミッドレンジとローエンドの成長で前年同期比1.3%増
2018年第2四半期の外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見ると、メインフレーム向けが37億2,400万円で前年同期比9.1%減、オープンシステム向けが346億3,800万円で同1.3%増となった。
メインフレーム向けは、2015年の大型更新のピーク以降、支出が低迷している。オープンシステム向けは、ミッドレンジとローエンドがプラス成長となったことが貢献した。従来ハイエンドの価格帯であった製品において、価格帯の下落に伴いミッドレンジにシフトする傾向がある。
2018年第2四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム市場では、リプレイスを中心とした大型案件の動向が大きく影響した。前年同期にあった大型案件ほどの売上が得られなかったり、売上予定の大型案件が後ろ倒しになったりしたことで、複数のベンダー売上額のシェアが大きく変動した。
この結果、364億1,500万円となった2018年第2四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)のうち、ベンダー別売上額の上位5社は、日立製作所(17.6%)、デル(14.7%)、ネットアップ(14.1%)、富士通(12.2%)、IBM(8.8%)となった。
オールフラッシュアレイは80億5,900万円、ほぼ横ばいとなる前年同期比1.0%増
これは前年同期と比べ、1位以外のすべての順位が異なる。この大型案件の動向は、オールフラッシュアレイ(AFA)の支出額にも大きく影響した。AFAの支出額は80億5,900万円で、従来四半期毎に前年同期比で2桁またはそれ以上のプラス成長を続けていたが、今期は1.0%増に留まった。また、大型リプレイス案件のインフラがサービス事業者のインフラへシフトしたことにより、支出する産業分野にも変化が発生している。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストである加藤慎也氏は、「2018年第2四半期は、外付型エンタープライズストレージシステム支出額が前年同期比で横ばいであった。更新需要に支えられている本市場では、大型リプレイス案件の有無が市場に与える影響は大きい。一方、従来サーバー内蔵型ストレージの採用によって規模の経済の追求が進むとみていたサービス事業者のインフラでは、外付型ストレージの需要が高まっている。ベンダーは、既存顧客の更新需要へ過度に依存せずに新たな需要を探る一方、シェアの獲得機会をサービス事業者のインフラにも見出すべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内エンタープライズストレージシステム市場 2018年第2四半期の分析」にその詳細が報告されている。