日本電気(NEC)と米D-Waveは、量子コンピューティング領域での協業に合意したことを、6月18日に発表した。
今回の合意を受け、NECはD-Waveに1千万米ドルの投資を行う。また、両社で既存のコンピュータと量子コンピュータの組み合わせ利用を可能とするハイブリッド技術開発、量子コンピュータを用いたアプリケーション開発、量子コンピュータを利用するためのシステムソフトウェア開発、量子コンピュータ活用を促進する共同マーケティングおよび販売活動について協働する。
ハイブリッド技術とサービス開発では、D-Waveの量子アニーリングマシンとNECのスーパーコンピュータをはじめとするコンピューティング技術を組み合わせることで、より大規模な組み合わせ最適化問題を高速に解けるハイブリッドサービスの開発を行う。開発されたサービスは、D-WaveのLeap量子クラウドサービスに組み入れて両社の顧客に提供される。
ハイブリッド量子アプリケーション開発では、Leap量子クラウドサービスと新たに共同開発するハイブリッドサービスを活用し、輸送から材料科学、AIといった分野で実用的な量子アプリケーションを開発する。また、NECが想定する金融・製造・流通など6つの市場に対して、D-Waveが持つ200以上の顧客事例(ユースケース)を適用し、顧客に最適なソリューションの提供を行う。
このほか両社は、企業がハイブリッド量子アプリケーションの構築を始められるよう講演、セミナー、プロモーション、事例紹介、トレーニング、量子アニーリングプログラミングイベントなどの共同マーケティング活動を行う。加えて、共同で市場開拓プログラムを実施し、量子コンピューティングの日本企業への導入促進を図る。