NTTと富士通は27日、総務省が推進する高速フォトニックネットワーク実現に向けて、「波長バーチャルコンカチネーション」という技術による多階層光スイッチノードによる総容量10Tbpsの光スイッチングに成功したことを発表した。
高速フォトニックネットワークは、100Tbps級の超大容量のデータ伝送を目標とした光ファイバネットワークのことだ。現在40Gbpsの光ファイバ伝送は実用化されているが、さらなる高速化のため、複数のチャネルをひとつの波長に分割多重する技術と、波長ごとに到達ファイバを切り替える光スイッチング技術などが研究されている。
波長バーチャルコンカチネーションによる多階層光スイッチノードでは、これらの技術に対して、波長の違いによる到達遅延の処理、高速スイッチングによる消費電力の抑制、SOA素子による光信号損失の低減などを実現した。また、40Gbpsの信号を2つ連動させる符号化回路も開発し、総容量で10Tbpsという高速スイッチングを実証したものだ。
この成果は、3月22日から米国のサンディエゴで開催されている光ファイバ通信国際会議(OFC/NFOEC 2009)において、ポストデッドラインペーパー(最新成果報告)として3月26日(現地時間)に報告された。