RIAとは、優れた表現力、操作性、機能性によりユーザーの使い勝手を飛躍的に向上させる技術である。
オンライントレードシステムは、ユーザーインターフェースがその成否を左右する。株式などの金融商品の売買のシステムでは、注文が出しやすく、銘柄の売り/買いを間違えないような設計が重要であるとともに、注文のピークタイムでのサーバーの負荷や画面遷移の速さなども厳しく問われる。
こうしたオンライントレードのシステムにRIAは非常に適しているという。
「RIA化によるユーザービリティ向上とその後について」と題する講演で、ひまわり証券株式会社 本部企画チームの濱中郁和氏は、「従来の先物とオプションの購入をおこなうWebは、お客様から画面遷移が煩わしく、操作しづらく誤った注文を出してしまうというという苦情が多かった。RIAによる刷新をおこなったことで注文画面のインターフェースが改善され、顧客数も向上した」と語った。
また、開発をおこなったクラスメソッド株式会社によると、RIAを実現するいくつかの開発環境を比較検討した上で、アドビ社のFlex2.0を採用したという。その理由として、導入後の環境設定の手間のかからなさ、開発生産性やメンテナンス性で他の環境よりもメリットを感じたからだという。
今回のセミナーで発表された、ひまわり証券のRIAの事例では、導入前(Before)と導入後(After)の変化として以下の点が上げられた。
・インターフェース改善により、問い合わせなどのサポート負担が減少。
・Webアプリでありながら、Windowsアプリに匹敵するパフォーマンスと機能を実現
・クロスOS/クロスブラウザにより、ユーザー環境を問わず運用を向上
インターネットがビジネスに直結した時代になって、証券オンライントレードなどのWebアプリとしての品質が、競争優位性をもたらす。RIAの技術はますます注目を集めることが予想される。