バンテックは2009年4月、自動車部品物流を中心に国内物流(ロジスティクス)を主力とする株式会社バンテック、国際貨物輸送(フォワーディング)を主力とするバンテックワールドトランスポート株式会社並びに持株会社である株式会社バンテック・グループ・ホールディングスの3社の合併を実施した。今回の経営管理基盤システムの導入は、本合併の機会をとらえてグループ経営の強化・経営資源活用の最適化をより推進し、今後の主力マーケットとなる海外市場において競争力を高めることが目的だったという。
システムの刷新にあたっては、ERP(Enterprise Resource Planning=経営資源の統合管理)パッケージとして広くグローバルに普及しているSAPのERPパッケージを活用することに。市場のニーズに迅速に応え受注競争に打ち勝つため、迅速な意思決定を行うツールとして会計基盤の統一、ならびに営業管理システムなどといった全社共通の経営基盤の高度化による課題解決を図るのが狙いだ。
システム導入にあたっては、アビームコンサルティングが保有する運輸業務向け導入テンプレート「アビーム・トランスポーテーション・ソリューション」およびSAPが提供するPI(Process Integration=プロセス統合機能)をフルに活用。カス
タマイズを回避し、アドオン開発を極力抑えることで、同等のシステム構築に比べ大幅に導入期間を短縮させ、昨年10月のプロジェクト開始からわずか半年余りの本年4月からシステムの部分稼動に踏み切った。
バンテックでは、今回導入した「SAP(R) ERP」を活用し、財務・管理会計を含めた一元的な経営統合基盤をベースに、顧客情報の一元管理による"見える化"と業務プロセス改革を行い、営業力の強化を図っているという。またSAPの「SAP ERP6.0」、「SAP Customer Relationship Management (CRM) 2007」および「SAP Business Objects」などのパッケージを採用し、システムのバージョンアップに伴うコスト負担の軽減を狙っているとのこと。今後はさらに、関連子会社を含めたグループ全体の経営管理基盤の高度化を進めていく予定だという。